「麹」の白・黒・黄って何が違う?

梅雨時や湿度の高いお風呂場などにどうしても出てきてしまうのが「カビ」。何かと敬遠されるカビですが、実はお酒を造る上で重要な役割を果たしているカビの仲間が存在します。それが「麹菌」です!

今回は麹に焦点を当て、麹がお酒に与える影響や種類ごとの特徴もまとめていきます。

そもそも麹とは?

麹とは、お米や麦、大豆などのでんぷん質を多く含む穀物に麹菌を繁殖させたものを言います。

実は麹菌は全世界に存在しているわけではなく、日本を含む東アジアや東南アジアにしか生息していません。なお、麹菌を食品に活用しているのは日本だけなので、麹菌は日本の「国菌」にも認定されています。

「カビる」と「発酵する」という現象の違いは、人体にとって有害か無害かで決定づけられるもので、発酵を促す麹菌は無害で有用性のある菌として重宝されています。

お酒造りにおける麹の役割

日本酒と焼酎造りに共通する点は、どちらも麹菌と酵母菌の2つの微生物を使用するということ。順番としては初めに麹菌、次に酵母菌が登場します。

まずは麹菌と酵母菌のそれぞれの役割をサラッと理解しておきましょう。

●麹の役割
麹菌をお米や麦、芋などの原料に生やすことで、原料中に含まれるでんぷんを糖に分解することができます。
この工程を酒造業界では「製麹(せいきく)」と呼び、この時点の麹の出来栄えで、日本酒や焼酎の質が変わるとも言われています。

●酵母の役割
酵母は、麹菌によって分解された糖を餌にしてアルコールと二酸化炭素を生み出します。
これは俗に「アルコール発酵」と呼ばれる反応で、日本酒や焼酎のみならず、ビール、ワインといった醸造酒やウイスキー、ブランデーといった蒸留酒にも用いられます。

他のアルコール飲料にも麹は使われるのか?

ワインやブランデーは、ブドウに含まれる糖分を酵母菌が餌として消費するため、麹を使う必要がありません。

またビールやウイスキーの場合は、発芽させた大麦に水とホップを加えることで糖分を生み出すことができるため、製麹の工程がいらないというわけです。

麹の種類

麹の役割が分かった後は麹の種類をマスターしましょう。日本でのお酒造りに使われる麹は3種類で、それぞれ違った性質を持っています。

黒麹

主に焼酎造りで使われる黒い麹のこと。泡盛を造るときには必ず黒麹を使用しなければならないと法律で決められています。

クエン酸を生み出すため腐敗の心配が少なく、高温多湿な地域でも安定したお酒造りを行うことができます。

黒麹で造られたお酒はどっしりとした重厚感のある味わいとなり、かなりパンチの効いたテイストとなる傾向にあります。

白麹

黒麹が突然変異したことで生まれた麹。「白」と言いつつ、きな粉のような色合いをしています。

白麹もまたクエン酸を分泌するため暑さに強く、黒麹さながらの性質を持ちます。造られるお酒の味わいは黒麹と似ていますが、パワフルさを持ちながらマイルドさも兼ね備えています。

黄麹

お酒以外に醤油やお味噌などにも使われる麹。古くから日本酒メインで使われてきた麹ですが、近年は焼酎造りにも使われるようになりました。

黒麹や白麹とは違いクエン酸を含まないため腐敗しやすいという弱点があり、温暖な地域でのお酒造りにあまり向かないタイプの麹と言われていました。

少し前までは九州以外の比較的冷涼な地域にて黄麹での仕込みが行われていましたが、温度管理の技術が進歩したおかげで九州地方でも黄麹を取り入れる酒造会社が出てきました。

まとめ

今回は麹にフォーカスしました。海外発祥のお酒に麹が使われていないのは、麹菌自体が日本固有のカビ菌であるからということが分かりました。

黄麹を使った焼酎以外にも、黒麹・白麹を使った日本酒も存在しているとか!?
麹の種類ひとつでお酒の味わいは多様に変化しますので、今まで原料や精米歩合に目を向けてきた方は、麹にも着目してお酒を選んでみてはいかがでしょうか?