女性が手掛けたシャンパンブランド、ヴーヴ・クリコとは?

日本でメジャーなシャンパンと言えば、ドン・ペリニヨンやモエ・エ・シャンドンが挙げられると思います。

しかしヴーヴ・クリコの存在も忘れてはいけません。たくましい女性によって受け継がれてきたメゾン・ヴーヴ・クリコでは、どのようなシャンパンが造られているのでしょうか?

今回はヴーヴ・クリコを深掘り!メゾンの歴史やこだわりをまとめるとともに、商品をいくつかピックアップして味わいの特徴などもご紹介していきます。

ヴーヴ・クリコとは?

ヴーヴ・クリコとは、世界的に知名度が高いシャンパン銘柄のひとつ。「ヴーヴ・クリコ」という名前はフランス語で「クリコ未亡人」を意味します。
200年以上もの歴史を持つメゾンで、英国王室御用達のブランドとしても知られています。

ヴーヴ・クリコが日本に定着したのはバブル期。当時のホストクラブやキャバクラではブランデーがステータスとしてよく飲まれていましたが、ただでさえ度数が高いブランデーは飲み手に負担がかかるだけでなく、一本空けるまでにどうしても時間がかかってしまうというデメリットもありました。

そんな日本のクラブに目をつけたのがモエ・エ・シャンドン社です。ブランデーに代わりシャンパンという新たな選択肢をもたらしたことで、モエ・エ・シャンドン社は日本での販路を確立しました。
度数が低くボトルを空けるまでにさほど時間がかからないシャンパンは、注文数が一気に伸び瞬く間にクラブ業界に浸透していきました。

ヴーヴ・クリコと並び、ドンペリやモエシャンもいち早く日本に根付いたシャンパン銘柄です。

ヴーヴ・クリコの歴史

ヴーヴ・クリコが現在の名声を得るまでには、語りつくせないほどの深い歴史があります。

メゾン・クリコの起こり

ヴーヴ・クリコは、日本の江戸時代中期にあたる1772年に創業しました。

当時、紡績業を営み銀行家でもあった実業家フィリップ・クリコが、ワイン造りで成功を収めようとメゾンを立ち上げたことがメゾン・クリコの始まりだと言われています。

しかしメゾンを立ち上げてからほどなくして創業者のフィリップ・クリコは病死してしまいました。妻のマダム・クリコがフィリップの意思を受け継いでメゾンの経営を再開させましたが、27歳という若さの女性実業家は世界的にとても珍しく、好奇の目にさらされました。

逆境に耐えたメゾン・クリコ

男尊女卑の考えが濃かった1800年代のフランスにおいて、マダム・クリコの行いは決して受け入れられるものではありませんでした。

女性が経営するシャンパーニュメゾン史上で初めて海外輸出を試みたマダム・クリコには「向う見ず、身の程知らず、分別がなく、出過ぎたことをする無礼者」というレッテルが貼られました。

海外市場を当てにしていたメゾン・クリコは、ヨーロッパ内の紛争による影響をもろに受けてしまいます。ナポレオンによる港の封鎖と、当時の最大顧客であったロシアでもフランス製品の輸入を一切禁止する措置がとられました。

ロシアへの輸出再開

ナポレオンが島流しになった1814年、マダム・クリコはロシアで禁輸政策の緩和が行われたタイミングでシャンパンの輸出を強行しました。実のところ、極甘口を得意とするヴーヴ・クリコは甘党のロシア人に受け入れられていて、当時のロシア皇帝の弟君に至っては「余はヴーヴ・クリコしか飲まぬ」と公言したと言われています。

ロシアへの販路が安定した後、1816年に43,000本だった出荷量は5年後には280,000本にまで伸び、ヴーヴ・クリコは急速に発展を遂げました。

LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の傘下となった現在でも、「Only one quality, the finest(品質は最高級だけ)」の意志を受け継ぎながら、常にハイグレードのシャンパンを生み出しています。

ヴーヴ・クリコのこだわり

ヴーヴ・クリコがヴーヴ・クリコであるために欠かせないポイントがあります。

ブドウ畑

メゾンが保有するブドウ畑のうち、86%以上が特級畑と1級畑の位置づけとなっています。
ブドウ畑ではシャルドネが47%、ピノ・ノワールが36%、ピノ・ムニエが17%の割合で栽培されています。

ヴーヴ・クリコのブドウ畑は日照条件、傾斜、土壌の質どれをとっても良好であるため、質の高いブドウを栽培するのに理想的な環境となっています。

クレイエル

石灰石から成る洞窟は「クレイエル」と呼ばれ、同じシャンパンメーカーでおなじみのルイナールもこのタイプの洞窟をセラーとして使用してます。
もともとこの洞窟は石灰岩の採石場でしたが、1909年からはヴーヴ・クリコ所有の貯蔵庫として使われるようになりました。

振動が少なく適度な温度と適度な湿度を保てるため、シャンパンを静かに長期熟成させることができます。

ビギナーにもおすすめなヴーヴ・クリコ3選!

ヴーヴ・クリコ初心者のために、数あるラインナップから特にハズせない商品を3つピックアップしてご紹介します。

ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット

黄色いラベルをまとったブランド中最もスタンダードな商品で、ネットショッピングでも簡単に手に入れることができます。ピノ・ノワールを主体とし、約30%のシャルドネと20%前後のピノ・ムニエから構成されています。

桃やプラムを思わせるフルーティーさとバニラのような香り、焼き立てパンのような芳ばしさを持ちます。さらにクレイエルで3年以上の熟成を経ることで、シルクのような舌ざわりが感じられるようになります。

食前酒、食中酒にも合わせられるため、イエローラベルはヴーヴ・クリコの導入にピッタリの一本です!

ヴーヴ・クリコ ローズラベル

サーモンピンクのラベルが目印の商品。ベースとなるイエローラベル ブリュットに赤ワインを加えて造られます。ローズラベルもイエローラベルと同じくピノ・ノワールを主体とし、約30%のシャルドネと20%前後のピノ・ムニエで造られます。

銅色を呈したシャンパンでフレッシュな赤いベリーのような香りを持ち、赤ワインのボディも感じられる一本です。ビーフのカルパッチョや赤い果実とよく合います。

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ヴーヴ・クリコ ドゥミ・セック

やや甘口のシャンパン。40~45%のピノ・ノワールを主体とし、約30%のピノ・ムニエと約20%のシャルドネで成り立っています。他の商品に比べピノ・ムニエが高い割合でブレンドされているのが特徴です。

熟したフルーツのような香りとパンのような芳ばしさを併せ持つ甘口のシャンパンであるため、食後酒に打ってつけの一本です。またミルフィーユやタルトタタンなどのスイーツとも相性抜群ですよ!

まとめ

今回はヴーヴ・クリコにフォーカスしました。どんな逆境にも負けず大胆かつ的確な判断ができるマダム・クリコは、キャリアウーマンのパイオニア的存在として語り継がれています。

ヴーヴ・クリコを飲んだことがない方やシャンパン未経験の方は、今回ご紹介した商品を試してみてシャンパンの世界を広げてみて下さいね!