キャンベルタウンモルトの特徴や歴史、おすすめ銘柄を紹介

キャンベルタウンは、スコッチウイスキー6大産地のひとつです。

現在は3ヶ所の蒸溜所しか稼働していませんが、スコッチウイスキーを語る上で欠かせない地域です。

そこで今回は、キャンベルタウンモルトの特徴や歴史、3つの蒸溜所について深堀していきます。

キャンベルタウンについて知りたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

キャンベルタウンとは

キャンベルタウンは、スコットランド南西、キンタイア半島にある小さな町です。

人口は5,000人ほどで、大西洋を航海する船舶の拠点として栄えました。昔は30以上の蒸溜所があり、ウイスキーの主要産地として世界から評価されていました。

ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏が修行した場所としても有名で、ジャパニーズウイスキーの原点ともいえる場所です。

しかしウイスキー産業が発展していく中で、品質よりも量を重視したことや、禁酒法や大恐慌の影響もあり、ほとんどの蒸溜所が閉鎖されてしまいます。

そのため、現在は3つの蒸溜所しか残っていません。しかし現存する蒸溜所では、品質の高いスコッチウイスキーが生産され、ウイスキー愛好家から支持され続けています。

キャンベルタウンモルトの味わいや香り

キャンベルタウンモルトは、「ブリニー(塩辛さ)」が特徴のシングルモルトです。

港町であることと関係し、磯の香りや塩っぽさが全面に出ています。またボディも重く、トロッとした飲み口も特徴です。

キャンベルタウンの歴史

キャンベルタウンは19世紀から港町として栄えます。大西洋を航海する船舶の拠点として活気のある町でした。

またキャンベルタウンは、ウイスキーの原料となる大麦や水源も豊富です。人の往来がある港町ということもあり、ウイスキー造りが盛んとなり、最盛期には34もの蒸留所が稼働していました。

当時は「世界のウイスキーの首都」とも呼ばれ、ローランドやハイランド、アイラ島に並んでウイスキー4大名産地として栄えます。

しかし20世紀になると、調子に乗り品質よりも量を重視し始めます。当時のアメリカは禁酒法時代で、密輸されたウイスキーの需要は非常に高かったといいます。そこでキャンベルタウンは、ウイスキーを密輸して稼いでいました。

ところが品質の低さが問題となり、禁酒法が解けると全く売れなくなります。それでも品質と価格を下げ続け、さらに信頼を失ってしまいました。その結果、キャンベルタウンはアメリカからの信頼を失い、ほとんどの蒸溜所は閉鎖を余儀なくされます。

現在操業しているウイスキー蒸溜所は、スプリングバンク蒸溜所、グレンスコシア蒸溜所、グレンガイル蒸溜所の3つだけです。

これらの蒸溜所は、どんな時代も品質を重視し、飲む人のことを考えたウイスキー造りを行ってきました。

現在は失われた信頼を取り戻すべく、キャンベルタウンの地でシングルモルトを造り続けています。

竹鶴政孝とキャンベルタウン

キャンベルタウンは、ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏が修行した場所として知られています。

19世紀にアメリカから日本にウイスキーが伝わったことで、竹鶴は国産ウイスキーの生産を計画します。

1918年には単身スコットランドに渡り、グラスゴー大学で有機化学と応用化学を学びました。その後、エルギンのロングモーン蒸留所で実習の経験を積みます。

最終的にはキャンベルタウンのヘーゼルバーン蒸留所で研修し、ウイスキー造りの基礎を学びます。

当時はウイスキーのポットスチルの構造を調べるために、積極的に釜掃除をやっていたという逸話も残っています。

このキャンベルタウンでの修行がなければ、ジャパニーズウイスキーは誕生していないかもしれませんね。

キャンベルタウンを代表する蒸溜所

それではキャンベルタウンを代表する3つ蒸溜所をまとめて解説します。

グレンスコシア蒸溜所

グレンスコシア蒸溜所は、1832年にガルブレイス家が創業した蒸溜所です。とても古い蒸溜所なので博物館のような見た目をしています。

キャンベルタウンモルトを牽引してきた存在ですが、所有者が何度も変わり、不定期で操業している状態です。

また1928年に操業を停止した時、所有者だったマッカラムがクロスヒル湖で入水自殺した事件があります。そのせいか、職人たちは今でのマッカラムの幽霊を目撃することがあるとか。

蒸溜所の設備は昔のままで、伝統的な製法でシングルモルトを生産しています。

おすすめ銘柄は「グレンスコシア カンベルタウンハーバー」

グレンスコシア カンベルタウンハーバーは、少量生産で仕込まれるキャンベルタウン伝統のシングルモルトです。

ファーストフィルのバーボン樽の原酒を使用し、丁寧なウイスキー造りを行っています。

スッキリとした潮の香り、ラベンダーやバニラなどのニュアンスがあり、フルーティーな味わいを楽しめます。

海を彷彿とさせるピートの余韻が心地よいシングルモルトです。

スプリングバンク蒸溜所

スプリングバンク蒸溜所は、1828年にレイド家が創業しました。現在はミッチェル家の所有となり、高品質なシングルモルトを生産しています。生産からボトリングまで全て自社で行う、貴重な蒸溜所です。

スプリングバンクのシングルモルトは、ウイスキー愛好家から「モルトの香水」と呼ばれており、芳醇な香りが楽しめます。

現在蒸留所は、「スプリングバンク」「ロングロウ」「ヘーゼルバーン」の3つを生産しており、それぞれピートの香りが異なるのが特徴です。

おすすめ銘柄は「スプリングバンク ロングロウ」

スプリングバンク ロングロウは、ピートを48時間乾燥させ、2回の蒸留を経て生産されるシングルモルトウイスキーです。

さまざまな年数の原酒やカスクをブレンドすることにより、ロングロウの個性を引き出しています。

バニラやマカロンのような甘み、海藻のようなニュアンスがあり、ヘビーでオイリーな味わいが楽しめます。軽やかさと飲みごたえのバランスが良い銘柄です。

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グレンガイル蒸留所

グレンガイル蒸留所は、1872年にミッチェル家が創業した蒸溜所です。1925年に操業停止し、2000年に再操業を果たしています。停止していた間は、ライフル協会の射撃場や、農業組合の倉庫として使われていました。

グレンガイル蒸留所は、全ての原料をキャンベルタウンで仕入れています。また生産から瓶詰めまで製造プロセスはキャンベルタウン内で行うほどこだわっています。

おすすめ銘柄は「キルケラン 12年」

キルケラン 12年は、2004年のヴィンテージのバーボン樽とシェリー樽で12年熟成させたシングルモルトウイスキーです。

海風のようなピートと、バニラやハチミツのような甘み、レモンやライムのような爽やかさが味わえます。口に含むと、スモーキーさが鼻を抜け、長い余韻を楽しめます。

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まとめ

今回はキャンベルタウンモルトの特徴や歴史、3つの蒸溜所について解説してきました。

3つの蒸溜所しか稼働していませんが、こだわりを持ち、個性溢れるウイスキー造りが行われています。ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏が修行した場所でもあり、ジャパニーズウイスキーを語る上で欠かせない地域です。

本記事を参考に、キャンベルタウンモルトを飲み比べしてみてください!