奇跡の5大シャトー!?ムートン・ロートシルトの魅力とは?

メドック1級に格付けされる5大シャトーの一角に数えられる「シャトー・ムートン・ロートシルト」。ほかのシャトーと一線を画す豪勢で派手な味わいは世界中のワイン愛好家の心を射止めています。

しかし1973年までは2級として格付けされ、覆すのは不可能とまで言われた格付けを1級へと上りつめた前代未聞の逆転劇が繰り広げられていたこと知っていましたか?

今回はそんな「シャトー・ムートン・ロートシルト」について注目し、メドックの格付け1級へと昇格できたわけと魅力を探っていきます。

シャトー・ムートン・ロートシルトとは

シャトー・ムートン・ロートシルトとは、ボルドー・メドック地区に位置するポイヤックのシャトーで造られる高級ワイン。別名:シャトー・ムートン・ロスチャイルド

「シャトー・マルゴー」・「シャトー・ラフィット・ロートシルト」・「シャトー・ラトゥール」・「シャトー・オー・ブリオン」と並びに1級メドックと格付けされ、100年以上変更されることのなかったメドックの格付けを2級から1級へと昇格させた唯一のシャトーとして有名です。

5大シャトーの中でもリッチで明朗な味わいと斬新的なアートラベルによる独自スタイルを確立し、格付け1級にふさわしい実力で世界中のワインラヴァーを魅了し続けています。

シャトー・ムートン・ロートシルトの所有者


そしてシャトー・ムートン・ロートシルトを所有しているのは、ユダヤ系の大富豪ロスチャイルド家。1853年にシャトーを購入し、現在はバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社が運営しています。

世界各国にワインを輸出するボルドーの最大手としての地位を築き上げ、これまで培ってきた一流のワイン造り技術を活かし、「オーパス・ワン」、「アルマヴィーヴァ」や「シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド」などのプレミアムワインを数々生み出しています。

なぜ格付け2級?


今でこそボルドー・メドック地区1級の栄誉を手に入れていますが、実は1855年にパリ万博開催のために制定されたメドック の格付けでは、1級の品質を持ちながらも2級と格付けされる経歴を持ちます。

ではなぜ2級?と疑問に思いますよね。

一説によれば、シャトー・ムートン・ロートシルトが2級に格付けされたのは「オーナーがフランス人ではない」というワインの品質とかけ離れた理由と言われています。

というのも1855年のフランスでは、「フランス人以外が造るワインなんて一流なわけがない」といった排他的歴史背景があったと考えられます。

そして一度2級に格付けされたものならば、その後1級へ昇格するのは前例がないうえに、履すのは不可能と誰もが思っていました。

1級へ昇格できたわけ


しかし2級に格付けされてた後、所有者のロスチャイルド家は「1級になることはできないが2級には甘んじることはできない。ムートンはムートンなり」と言い放ちました。

その後ブドウ栽培環境を整えたり、ワイン醸造の設備や熟成方法を大幅に見直すなど、地道な努力を重ねていきます。

1924年の当時では珍しい「元詰め」をいち早く取り入れ、いわゆるシャトーの「元詰め運動」を扇動させ、ボルドーワインの品質向上に大きく貢献しました。

1926年には100mを超える巨大な貯蔵庫を建て、1945年には現在ムートンの象徴でもある有名画家によるアートラベルを取り入れます。

1962年にはワイン博物館をオープンさせ、毎年数千人もの訪問客が訪れる観光地に開拓。このような革新的なアイデアで周りを驚かせ、そして、20年もの年月をかけて1級シャトーへ格上げ運動を周りへ働きかけ続けていました。

1973年、品質の高さや社会貢献の甲斐もあって、ムートンは118年越しにようやく悲願の1級への昇格を認められます。

しかし第1級に昇格を果たしてもムートンは「我々は1級になった、かつては2級だった、しかしムートンは昔も今も変わっていない」という名言を残し、1級になった今も変わらぬ品質を提供し続けています。

今も人気を維持し続けるその魅力


ムートンが今も人気を誇り続けているのは変わらぬ品質の高い「味わい」と美しい「アートラベル」にあります。

味わい

5大シャトーの中でもマルゴーは女性的で、ラトゥールは男性的な力強さを持ちます。

対して、ムートンはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が80%にも上るため、どちらにもハマらない濃厚で芳醇、肉厚なリッチな味わいが特徴。

また10年以上もの長期熟成にも耐えられ、瓶内熟成によって変貌していく魅惑的な味わいがほかのシャトーと一線を画すムートンならではの魅力があります。

アートラベル

ムートンは芸術家によるアートラベルが特徴。これまでシャガールやピカソ、キース・へリング、ダリやミロをはじめ、現代アーティストや世界的にも有名な芸術家による作品が起用されています。

またヴィンテージごとにラベルのデザインが異なるため、ワインコレクターの心をかきたてられ、ついつい集めたくなるような美しいラベルも人気を集める要因となっています。

中でも人気ラベルともなれば、値段が跳ね上がり、数倍の価格で取引されることもあるとか。

ラインアップ


次にシャトー・ムートン・ロートシルトのファーストラベルやセカンドラベルなどを紹介していきます。

シャトー・ムートン・ロートシルト

シャトー・ムートン・ロートシルトのファーストラベル。長期熟成に向いており、シルクのようなきめ細やか口当たりとエレガントな芳香が特徴。

ヴィンテージごとに異なるアートラベルが美しく、特別なシーンに合わせて飲んだり、贈り物にも大変喜ばれるワインとなっています。

特に2000年、2005年、2015年、2018年は当たり年と言われ、人気の高さから非常に高値で取引されています。

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ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロスチャイルド

シャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドラベル。

プルミエ・クリュの若樹から厳選されたブドウで造られたセカンドラベルは、ファーストラベルを彷彿させる豪勢な濃厚さとアロマが顕在し、力強さと濃縮された旨味が特徴。

当たり年は2009年、2010年、2015年、2016年と言われており、ファーストラベルに近い味わいをより安く購入できるワインとなっています。

エール・ダルジャン

シャトー・ムートン・ロートシルトが1991年に35年ぶりに復活させた白ワイン。復活後は改良を重ねていった結果、今ではシャトーマルゴーの白に比肩できるクオリティといわれています。

上品な果実味と華やかなアロマが特徴。複雑ながらも爽やかなミネラルの余韻が長く続き、エレガントな味わいが楽しめるので白ワイン好きにぴったりなワインとなっています。

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まとめ

今回は、フランス5大シャトーを代表する「シャトー・ムートン・ロートシルト」を紹介しました。

不可能とも言われた1級への昇格は、シャトーの並々ならぬ努力があったということがわかりましたね。

今も不動の地位を維持し続けるその魅力をぜひ確かめてみては?