
米酒や吟醸酒の違いとは?今さら聞けない日本酒のランクを解説!
日本酒には純米酒や大吟醸といったランクがあります。しかし、どんな理由で区別されているのか分からないという人も多いです。
「日本酒のランクが多すぎて分からない」
「精米歩合が関係しているの?」
「日本酒の区別ができるようになりたい」
こういった疑問を持つ人も少なくありません。そこで今回は日本酒のランクについて詳しく解説をしたいと思います。
日本酒の区分には欠かせない醸造アルコールと精米歩合
日本酒を区分する上で欠かせないのが、醸造アルコールと精米歩合です。まずはそれぞれの意味や役割を紹介します。
醸造アルコール
醸造アルコールはサトウキビが原料のアルコールです。醸造アルコールの役目は日本酒の防腐や香りづけで、醸造アルコールが添加されたものを「醸造酒」、添加されないものを「純米酒」と呼びます。
醸造アルコールが添加されていると「悪い日本酒なの?」と思われがちですが、それは違います。
日本酒は醸造アルコールが添加されることにより、味わいがキリッとクリアに辛口に。主に食中酒として飲まれることが多く、熱燗にも適しています。また吟醸酒や大吟醸酒は醸造アルコールの添加によって、華やかな香りやフルーティーさが際立ちます。
醸造アルコールを添加するだけで、日本酒の顔がガラッと変わるのです。違いを比べてみたい方は、吟醸酒と純米大吟醸酒を飲み比べてみるといいかもしれません。
精米歩合
精米歩合とは、精米時にどれだけお米の表面を磨いたかを表した数値です。日本酒に使用される米は、磨けば磨くほどランクが高くなり、大吟醸酒になると精米歩合50%まで削ります。
なぜ削れば削るほどランクが高くなるのか?
理由は米の心白(中心部)に近ければ近いほど、雑味がなくなり香りが高くなるからです。中には精米歩合8%の贅沢すぎる日本酒などもあり、最高級ランクとして販売されています。大吟醸でも50%以下という規定がありますが、8%とは驚きですよね。
日本酒のランク(区分)を紹介
精米歩合と醸造アルコールについて理解をすれば、日本酒の区分も分かりやすくなります。そこで日本酒のランクを順番に解説。合わせて香りや味も紹介していきます。
■特別純米酒(米、米麹) 精米歩合60%以下
特別純米酒は、純米酒より精米をしているので「特別」とランクづけされています。甘みやコクの中にキリッとした印象もあり、食中酒としてもおすすめです。
■特別本醸造酒(米、米麹、醸造アルコール) 精米歩合60%以下
特別本醸造酒は、本醸造酒よりも精米しているので「特別」とランクづけされています。醸造アルコールが添加されており、キリッとした飲み口が特徴の日本酒です。
■純米大吟醸酒(米、米麹) 精米歩合50%以下
純米大吟醸酒は、低温で長時間発酵させる「吟醸造り」で醸造が行われます。フルーティーで深いコクと米本来の甘みが楽しめます。女性や初心者でも飲みやすいですよ。
■純米吟醸酒(米、米麹) 精米歩合60%以下
純米吟醸酒は、純米大吟醸よりも精米歩合が高いです。ちょっと味が劣るのでは?と思うかもしれませんが、純米吟醸ならではのコクとフルーティーさは、日本酒好きからも人気があります。気になる方は、2つを飲み比べてみるのもいいでしょう。
■純米酒(米、米麹)
日本酒の代名詞ともいえる種類で、米と米麹のみを使用して造られる日本酒です。米の旨味をしっかりと感じられ、コクと旨味も強くなります。日本酒の基本となる種類で、日本酒初心者の人は、純米酒から飲み始めるのもおすすめです。
■吟醸酒(米、米麹、醸造アルコール) 精米歩合50%以下
大吟醸酒は、純米大吟醸に醸造アルコールを添加した日本酒です。フルーティーですが、キリッとした飲み口が特徴です。食中酒としてもおすすめで、初心者にも飲みやすいかと思います。
■吟醸酒(米、米麹、醸造アルコール) 精米歩合60%以下
吟醸酒は醸造アルコールを添加しているので、すっきりとした飲み口が特徴です。食前酒や食中酒に活用してみてください。
■本醸造酒(米、米麹、醸造アルコール)精米歩合70%以下
醸造アルコールを添加しているので、キリッとした辛口の日本酒になります。初心者には少しキツイかもしれません。
貯蔵期間でも日本酒が区別される?
日本酒は、精米歩合や醸造アルコールの添加で区別されていますが、貯蔵期間でも種類分けされています。
■新酒
生成されてすぐの日本酒。加熱処理前の状態で、生成されてから半年までは新酒と呼びます。
■古酒
生成後1年以上が経過した日本酒です。新酒にはないコクや深みが味わえます。
■長期貯蔵酒
長期間貯蔵した日本酒で、生成後3年が経過したものを指します。芳醇な香りと奥深さが特徴です。
まとめ
精米歩合と醸造アルコールについて理解すれば、日本酒のランクも簡単に見分けることができます。キリッと辛口が飲みたいなら醸造アルコールが添加された日本酒、高級でフルーティーなものが飲みたいなら精米歩合が低いものなど、好みに合わせて選んでみてください。
また日本酒のランクを知っていれば、飲み会の席で一目置かれる存在になります。特に目上の人からの印象は良くなるでしょう。
それでは、日本酒のランクを理解して、美味しいお酒を飲んでくださいね。