フランスワインの格付けを紹介!ボルドーやブルゴーニュで違う?

ワイン好きの人は「格付け」という言葉をよく耳にするかと思います。しかし、どんな基準で格付けが行われているのか、詳しく知る人はそう多くありません。

格付けは国ごとに違い、アメリカやチリ、オーストラリアなど「新世界」の格付けは、分かりやすいのが特徴。

逆にフランスやスペインなど「旧世界」のワインは、難解で分かりにくいものがほとんどです。お店でラベルを見ても何が書いてあるのか理解できませんよね。

そこで今回は、世界一のワイン大国であるフランスの格付けを紹介します。ワインの格付けに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

フランスのワイン法

フランスではワイン法と呼ばれる法律で品質管理を行なっています。

ワイン法は1930年代のフランスで制定されました。当時は天候の関係でブドウの不作が続き、フランスワインは大打撃を受けます。そして、その不測の事態を逆手に取り、フランスの有名産地を装ったワインが大量に出回ったのです。

そこでフランス政府はワイン法を制定し、格付けを行うようになりました。これにより品質の悪いワインや偽物のフランスワインが排除され、フランスワインの品質が保持されたのです。

2009年よりEU全体で新しいワイン法が導入

フランスのワイン法は、国内独自の法律です。しかし2008年にEU全体で新たなワイン法が導入され、フランスのワイン法もEUの基準に沿った内容に変更されました。

変更前は「Vin de Table」「Vin de Pays」「A.O.V.D.Q.S」「A.O.C」の4つに分類され、見分け方も複雑でした。しかし現在は3種類になり、見分け方もシンプルに。後ほど格付けを紹介しますので参考にしてみてください。

また地理表示のない品種や収穫年の表示が禁止されていましたが、これが「任意」となりEUの基準に合わせられました。

昔のフランスワイン法よりはシンプルになっているので、ワイン選びはそこまで難しくありません。

フランスワインの格付け

それではフランスワインの格付けを紹介します。

A.O.P.(Appellation d’Origine Protégée) 原産地名称保護ワイン
I.G.P.(Indication Géographique Protégée) 地理的表示保護ワイン
S.I.G.(Vin Sans Indication Géographique) テーブルワイン

フランスではA.O.P.を頂点として、3種類の格付け区分を設けています。

A.O.P.(Appellation d’Origine Protégée)

A.O.P.は最も品質が高いワインに分類され、その基準もかなり厳しいです。

「生産エリア(畑まで細かく)」「ブドウ品種」「最高(最高)アルコール度数」「最大収穫量」「栽培法」「剪定方法」「熟成条件」「試飲検査」など、細かい部分まで記載しなければなりません。

基準をクリアするのはかなり難しいですが、飲む側としては品質の高さが明確なので選びやすいですよね。品質が高いワインが飲みたいと思ったら、A.O.P.の格付けワインを飲むと失敗が少ないと思います。

I.G.P.(Indication Géographique Protégée)

I.G.P.はA.O.P.のように畑レベルまで詳しい細分化が必要なく、規定も緩やかです。

ただしI.G.Pを名乗るためには、各産地の保護団体が仕様書を作成し、フランス・EUで認められなければなりません。A.O.P.よりはクリアしやすいですが、しっかりとした基準が定められています。

ある程度、品質が保証されたワインが飲みたい人におすすめです。

S.I.G.(Vin Sans Indication Géographique)

S.I.G.はテーブルワインの区分で、生産地の表示義務もなく、自由に生産されたワインを指します。

格付けが高いほど美味しいわけではない

格付けが高いほど品質が高く美味しいイメージがありますが、実はそうではありません。規定を細くクリアしたワインほど上の格付けになるという仕組みなので、美味しさや品質は関係ないのです。

そのため美味しくないA.O.P.もありますし、高級ワインに匹敵するテーブルワインも存在します。

ただし規定をクリアしたワインは、品質や美味しさも高い傾向があるので、失敗したくない人はA.O.P.を選ぶといいでしょう。

ボルドーとブルゴーニュの格付け

フランスのワイン法は3つの分類で格付けをしています。そしてワインの産地ごとにも格付けがあります。

特に世界に誇るボルドーやブルゴーニュでは独自の格付けが行われています。

ボルドー格付け

まずはボルドーの格付けから紹介します。

第一級(5シャトー)
第二級(14シャトー)
第三級(14シャトー)
第四級(10シャトー)
第五級(18シャトー)

ボルドーワインは、シャトーごとに格付けが割り当てられます。ガロンヌ川西に位置するメドック地区では61のシャトーが5階級に分類。

このボルドー格付けは、フランスのワイン法が制定された1935年よりも前の、1855年パリ万国博覧会でナポレオン3世の命令により、ボルドー市商工会議所が制定しました。

第一級は「5大シャトー」と呼ばれ、「シャトー・ラ・トゥール」「シャトー・ラフィット・ロートシルト」「シャトー・マルゴー」「シャトー・ムートン・ロートシルト」「シャトー・オー・ブリオン」の5つが頂点に君臨しています。この5大シャトーは「世界の頂点」とも言われ、ワインマニアなら誰もが憧れるシャトーです。

また第二級や第三級の格付けでも、「第一級を凌ぐ」と言われるシャトーが多数あり、それらは「スーパー・セカンド」と呼ばれています。代表的なシャトーで言えば「シャトー・デュクリュ・ボーカイユ」「シャトー・コス・デストゥネル」「シャトー・ランシュ・バージュ」などが有名です。

「5大シャトーが飲みたいけど値段が高くて手が出ない」という方は、「スーパー・セカンド」を試してみるのもいいでしょう。

ブルゴーニュ格付け

次にブルゴーニュの格付けを解説します。

特級(Grandes Crus)
一級(Premiers Crus)
村名(Communales)
特区(Sous Region)
地域(Regionales)

ブルゴーニュはピノ・ノワールやシャルドネなど、繊細なワインが生み出される地域です。

そしてボルドーとは違い、「生産地の範囲が狭いほど上級」と定められています。日本の地名で分かりやすく説明すると、「関東」よりも「東京」が上位で、「東京」よりも「渋谷」の方がさらに上位になるといった感じです。

最上級と呼ばれる特級畑は39あり、ワインのラベルに畑の名前が記載されます。この名前を基準にブルゴーニュワインを選ぶと、美味しいものに当たりやすいです。

まとめ

今回はワイン大国フランスの格付けを紹介しました。EUのワイン法制定により、フランスワインの格付けは昔よりもわかりやすくなっています。

またボルドーとブルゴーニュの格付けを知っていれば、フランスワインを選ぶときに困ることはありません。またフランス以外にも、国ごとに格付けがあるので、気になる国があれば調べてみるのもいいでしょう。

それでは本記事を参考に自分好みのフランスワインを探してみてくださいね。

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