ピノ・ノワールを楽しもう!特徴と産地ごとの違いについて

ワインには無数の種類があり、それぞれに異なった味わいが楽しめます。国ごと、ブドウごと、ワイナリーごと……それぞれにまったく違った楽しみ方があるので、すべてのワインを網羅することは不可能といえるほど難しいものです。

ただ、「ブドウの特色」を知ることによって、より自分好みのワインを探しやすくなるのは確かです。また、同じ種類のブドウでつくられたワインを飲み比べることによって、「そのブドウの持っている特色」を知ることもできるようになります。

今回は「ピノ・ノワール」をとりあげ、有名な5つの産地のピノ・ノワールワインの味わいの特徴を解説していきます。

ピノ・ノワールとはどんなブドウか

「ピノ・ノワール」は、世界でもっとも有名なブドウのうちのひとつです。赤ワイン用のブドウのひとつとして知られており、フランスのブルゴーニュ地方を原産地としています。

非常に特徴的なブドウで、ほかのブドウとブレンドされることはほとんどないという特性を持っています。これは、ピノ・ノワールがとてもデリケートなブドウであるからだとされています。

ピノ・ノワールの魅力は、柔らかな口当たりにあります。とても繊細で美しく、エレガントで上品な味わいを持っています。また、はなやぎのある香りを持っていることでも知られています。比較的女性的なブドウだといえるでしょう。

この「ピノ・ノワール」は、現在では世界各国でつくられるようになっています。ピノ・ノワールの祖であるフランスはもちろん、アメリカやイタリア、チリやニュージーランドなどでも、ピノ・ノワール100パーセントのワインが仕上げられています。

産地別でみる「ピノ・ノワール」

今回は
・チリ
・ニュージーランド
・イタリア
・アメリカ
・フランス
から出していきます。

なお、価格が違い過ぎると味わいにも当然違いがでることが予想されるため、今回は1000円~1500円の範囲で選んでいます。また、(ピノ・ノワールの場合は単一品種でつくられることも多いのですが)ほかのブドウが入っていると味わいが異なるため、すべてピノ・ノワール100パーセントのワインを選んでいます。

産地が同じであっても、ワインごとによって味わいが違うことはもちろんあります。ただ、「産地の違いによって、ピノ・ノワールでも味わいが異なること」を知っておくことは有用なため、ここでは各産地から1本ずつ、おすすめのピノ・ノワールワインとそれのレビューをしていきます(すべてを同じ日・同じタイミングで飲み、比較テイスティングをしています)。

甘味が苦手な人にも向くチリの「アレスティ ピノ・ノワール」

チリのピノ・ノワールはその特性として、甘味がやや強く出がちです。また、酸味が少し弱いという特徴も持っています。

しかし「アレスティ ピノ・ノワール」は少し異なります。

「アレスティ ピノ・ノワール」は、ほかのチリのピノ・ノワールとは比べて、酸味と果実感が強く出ます。アメリカのピノ・ノワールに比べるとタンニンが感じられやすいワインで、イチゴやラズベリーの香りを感じられます。その香りはしばしば、「チャーミングな」と評されます。

赤ワインは常温で飲むのがよいとも言われていますが、「アレスティ ピノ・ノワール」ならば冷蔵庫で冷やして飲んでもよいでしょう。セミハードチーズとの相性が比較的よいピノ・ノワールであり、飲みやすいのが特徴です。赤ワインが苦手な人にも楽しみやすい1本でしょう。

また、チリワインの魅力のひとつである「濃厚さ」「濃いワイン」に少し食傷気味……という人にも飲んでもらいたい1本です。酸味もあり、素直に飲める1本だといえるでしょう。

ニュージーランドの1本「サザン・バリタリーザ・スプリング ピノ・ノワール」

「サザン・バリタリーザ・スプリング ピノ・ノワール」という、少し長い名前を冠されたワインは、ニュージーランドのピノ・ノワールワインのうちの1本です。ニュージーランドらしいスクリューボトルで、海鮮しやすいのも地味ながらうれしいポイントです。

「コストパフォーマンスに優れたワイン」としてよく取り上げられるワインであり、レストランなどでもよく出されています。

ピノ・ノワールらしい果実感を強く感じさせる1本で、レッドチェリーやラズベリーのような風合いを感じます。「ややフルーティーにすぎる」と評する人もいるほど果実みの強いワインであり、ジュースのような味わいさえ持っています。

木のニュアンスもありますが、「サザン・バリタリーザ・スプリング ピノ・ノワール」を飲んだ人は、まずはその、「ワインらしからぬジュースのような味わい」に驚かされることでしょう。フルーティーなワインを求めている人に強くおすすめできる1本です。度数も13パーセントとやや抑えめです。

ニュージーランドでは、費用対効果に優れたワインがたくさん作られています。この「サザン・バリタリーザ・スプリング ピノ・ノワール」もそのうちの1本だといえるでしょう。

どっしりしたピノ・ノワールを求めるなら~イタリアの「プリマテッラ」

イタリアでは、「ピノ・ノワール」という呼称は使いません。「ピノ・ネロ」といいます。紹介するワインも、「プリマテッラ ピノ・ネロ デッレ・ヴェネツィエ」となっています。

色が非常に濃いワインで、香りもとても強く出ます。ピノ・ノワールはよくラズベリーの香りを持ちますが、このワインの場合は、ブラックベリーのような濃い香りを漂わせます。芳香が強く、甘い香りもあります。5本のなかでもっとも押し出しが強い1本で、強烈な印象を残します。

元気でジューシー、ボリュームがあります。果実味は非常に強く出ますが、タンニンは柔らかであり、あまり嫌味はありません。

非常に濃厚でパワフルなワインです。
重いワインが好きな人や、「ピノ・ノワールは軽すぎる」と感じている人にはおすすめですが、「ピノ・ノワール」という言葉から連想されるものよりは、やや重すぎるワインだといえるでしょう。

可愛らしい印象のあるアメリカ「ジェイ・ダブリュー・モリス カルフォルニア ピノ・ノワール」

アメリカで作られている「ジェイ・ダブリュー・モリス カルフォルニア ピノ・ノワール」は、非常に可愛らしい印象のワインです。酸味と甘みがあるワインで、甘めのチェリーやラズベリー、レッドベリーの香りを感じることができます。タンニンが少なく、辛みがあります。

少しスパイシーな雰囲気をまとっていますが、なめらかな味わいに仕上がっているのが特徴です。チリのピノ・ノワールとも似ていますが、こちらよりは酸味が弱く、主張はそれほど強くありません。

カマンベールチーズや白身魚のバターソテーなどと相性がよいでしょう。
赤ワインに慣れていない人でも飲みやすく、嫌味のないワインであるのが特徴です。デイリーワインとして使っていきたい1本です。

生まれ故郷のフランス「ジャン・ジャック・ドミニク テロワール・セレクション ピノ・ノワール」

「ジャン・ジャック・ドミニク テロワール・セレクション ピノ・ノワール」は、ピノ・ノワールの生まれ故郷であるフランス(ただしこちらはオーヴェルニュで栽培)で作られた1本です。

5本のなかでは一番エレガントな仕上がりになっていて、赤い果実の味わいと香りが強く出ます。ブルーベリーやチェリーの上品な香りを感じることができます。ピノ・ノワール全般にいえることではありますが、非常に飲みやすい1本であるという特徴もあります。

値段の割には高級感があり、舌触りも非常になめらかです。低コストで上品なピノ・ノワールを飲みたいと考えるなら、選択肢に上がって来るでしょう。

酸味は、たしかにあるのですがそれほど強くはありません。ボージョレーの名匠としてもしられている、ピエール・フェローが作った1本です。
同じ「ピノ・ノワール」でも、産地やワイナリーによって味わいは大きく異なります。いろいろ試してみてくださいね。

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