
世界で飲まれるドイツビール!歴史や種類を解説
ドイツは「ビール大国」と言われるほど、ビールが飲まれる国です。ドイツで「ビールとソーセージで一杯やりたい」と妄想が膨らみますよね。
そこで今回は、ドイツビールの歴史や特徴、おすすめの種類を紹介したいと思います。ドイツビールに興味がある人は参考にしてみてください。
目次
ビール大国のドイツ
ビールはドイツ人の日常に溶け込んでいます。国内に1,300以上の醸造所があり、銘柄は5,000種類以上。水と同じような感覚で飲まれており、スーパーでも水と同じ値段でビールが購入できます。
またドイツ人一人当たりの年間消費量は約140L。本当に水と同じくらい飲まれているんです。ちなみに日本の年間消費量は約40Lで、ドイツの約1/3しか飲んでいません。日本人もビールが好きなイメージがありましたが、ドイツには敵いませんね。
ドイツビールの歴史や発祥
ドイツビールの歴史は古く、紀元前1800年頃にはドイツ人の祖先であるゲルマン人によって、ビールに近い飲み物が造られていたそうです。さらに歴史が進むと、焼いた穀物に水をつけて、アルコール飲料としてビールが製造されるようになりました。
西暦1,000年頃になると、修道院がビール生産工場となり、ビールの大量生産に乗り出します。修道院はビールとかけ離れたイメージがありますが、当時は研究機関として使用されており、修道士たちが作るビールの品質が高く人気があったようです。
またビールは栄養価が高かったため、修道院では「子供にもおすすめ」と未成年が飲むことも推奨していました。
そしてビール製造は修道院だけにとどまらず、国内にビールの醸造所がいくつも立ち並ぶように。当時はビールの法律もなく、好きな場所で好きなようにビール造りができたため、一気に醸造所が増えました。
1516年になると「ビール純粋令」と呼ばれる法律が制定されます。これは「ビールは麦芽・ホップ、水のみを原料とする」という法律で、ビールの品質を保つために制定されたのです。
実際に麦芽とホップの組み合わせは、質の高いビールの生産ができ、ドイツ国内のビールの品質向上に繋がりました。1993年になるとビール純粋令に「酵母」が追加され、現在のドイツビールが確立されたのです。ドイツ人のビールに対する情熱が伺えますね。
ドイツビールの特徴
ドイツビールは色が特徴的で、黄金色や琥珀色、黒などカラフルなビールがあります。日本のビールよりも濃厚な見た目で、濁ったビールも珍しくありません。ただし色が濃いほど苦いわけではなく、スッキリと飲みやすい銘柄もあります。
またアルコール度数は日本と同じく5%前後。甘くて優しい味わいのビールが多く、苦味が苦手な人でも美味しく飲めます。
ドイツビールの飲み方
ドイツビールは500mlのグラスが一般的で、毎年行われるオクトーバーフェストでは1Lのジョッキしかありません。日本のように小さいグラスで飲む文化はありません。
ドイツでは「とりあえずビール」ではなく、飲み始めから飲み終わりまで永遠とビールを飲み続けます。お店によってはジョッキのビールが無くなったら、勝手に注いでくれるシステムもあり、ビール以外の選択肢が少ないのも特徴です。
そしてドイツビールのグラスには、泡と液体を区別する目印がついています。そのため、液体の目盛に泡がかかっていると、お店はビールを取り替える義務があります。これは法律でも定められており、ドイツ人のビールに対するこだわりが感じられますね。
またドイツではビールをキンキンに冷やしません。日本のラガービールとは違い、エールビールが多いドイツでは、8度前後で飲むのが一般的。香りやコクが味わえて美味しいですよ。
ドイツビールの種類
それでは、ドイツビールの種類をいくつか紹介していきます。
ピルスナー
ドイツで飲まれる50%以上はピルスナーで、黄金色のフォルムと苦味、喉越しの良さが特徴。日本のビールに近く、ドイツビールを試すなら、まずピルスナーから試すことをおすすめします。
ミュンヘナー
名前の通り、ミュンヘンで製造されている黒ビールの一種です。昔は黒色でしたが、現在は明るい色で、一見すると黒ビールとは分かりません。
ホップの香りを抑え、麦芽の風味を強めたビールです。上品な印象があり、女性でもスッキリ飲みやすい印象があります。
ヘレス
ドイツ語で「淡い色」を意味する言葉で、淡い黄金色が特徴的なビールです。ミュンヘナーを淡い色に改良したビールとして知られ、ミュンヘンに住む人々に人気があります。苦味が控えめで、麦芽の甘さが際立っており、ビール初心者におすすめのビールです。
ラオホ
ドイツ語で「煙」を意味する言葉で、その名の通り、燻製された麦芽から造られる珍しいビールです。スモーク感があふれ、とにかくクセが強いのが特徴。好き嫌いが分かれますが、ハマれば何度も飲みたくなる中毒性があるビールです。
ヴァイツェン
ドイツ語で「小麦」を意味し、南ドイツで昔から飲まれてきたビールです。ドイツビールの大半は大麦を使用しますが、ヴァイツェンは小麦を使用して造られます。
フルーティーでマイルドな飲み口が特徴ですが、アルコール度数は5.4%と高く、飲み過ぎには注意しましょう。
ベルリーナ・ヴァイセ
ベルリンを中心に醸造されている爽やかなビールです。乳酸菌を発酵し、淡い色と程よい酸味が特徴。アルコール度数が低く、甘いシロップを入れて飲まれています。カクテルのような味わいなので、ビールが苦手な人や甘いものが好きな女性におすすめです。
ケルシュ
ケルンを中心に醸造されているビールです。ケルン近郊の醸造所で造られたビールしか、ケルシュを名乗ることはできません。黄金色で泡立ちが少なく、スッキリとした味わいが特徴。夏場にゴクゴク飲め、ケルンでは200mlのグラスでお代わりをしながら飲む習慣があります。
アルト
ドイツ語で「古い」を意味し、その名の通り、デュッセルドルフなどで古くから伝統的な製法を用いて造られます。濃い色をした大麦麦芽を使用しており、琥珀色で濃厚な麦芽の香りが特徴。
ケルシュと同じように200mlのグラスで提供されることが多く、少し苦味が強いので、ビール上級者に飲んでもらいたい種類です。
ドゥンケル
ドイツ語で「暗い」「濃い」を意味し、その名の通り、火で炙った大麦を使用して造られる黒ビールです。炙った麦芽の香ばしい香りと濃厚でまろやかな飲み口が特徴。苦味が少ないので、ビール初心者でもゴクゴク飲めます。
シュバルツ
ドイツ語で「黒い」を意味し、その名の通り、黒い色が特徴のビールです。ドゥンケルよりも色が濃く、苦味も少し強いのが特徴。ダークラガーとも呼ばれており、苦味を味わいたい上級者におすすめのビールです。
ボック
ドイツ語で「強い」を意味し、その名の通り、アルコール度数が6%以上のビールを指します。ドイツ北部のアインベックが発祥のビールで、アルコール度数を高めるために、大量のモルトを使用しています。アルコール度数が高い理由は、寒い地域で体を温める役目があるからです。
力強い印象がありますが、苦味が少なく甘みが強いのが特徴。ビールが苦手な人でも、美味しく飲めると思います。
まとめ
今回はドイツビールの歴史や特徴、おすすめの種類を紹介してきました。知れば知るほど、ドイツビールを飲みたくなりますね。いつかソーセージとドイツビールで乾杯したいです。
それでは本記事を参考に、美味しいドイツビールを見つけてくださいね。