海外で造られる日本酒とは?世界の蔵元を一挙紹介

日本酒は海外でも人気を集め、「SAKE」の愛称で親しまれています。世界各国で日本酒のイベントが開催され、知名度も徐々に上がってきました。

世界も認める日本酒ですが、日本以外でも醸造が行われています。海外に拠点を構える蔵元も増え、日本酒業界は盛り上がってきています。

日本酒が海外で造られているのは日本人として嬉しいものがあります。そこで今回は、海外にある蔵元をいくつか紹介します。

海外では「日本酒造り」が盛んになっている


海外ではクラフトビールやクラフトジンなど、「少量生産でこだわったアルコール」が注目を集めています。その中にも日本酒が含まれており、2016年頃からアメリカやイギリスでも蔵元が設立され始めました。

日本の蔵元を母体として製造を行うところも多く、日本の伝統を受け継ぎながら日本酒造りを行っています。

海外で日本酒を作っている蔵元を紹介


それでは日本酒を造る海外の蔵元を一挙紹介します。

Artisan SakeMaker(カナダ)

カナダのバンクーバー、グランビルアイランドと呼ばれる小さな島に拠点を構える「Artisan SakeMaker」。創業は2007年、10年以上にわたり日本酒を造っています。

ここで造られる「Osake」は、カナダで初となる純米生酒として発売されました。その品質の高さから海外でも注目される日本酒です。生産量は少なく、年に複数回、こだわりを持って造られています。

酒米はブリティッシュコロンビア州で栽培された米を使用。2009年から米を精査し、2013年には100%カナダ産の米で、日本酒が造られるようになりました。

またグランビルアイランドは海に囲まれているので、美味しいシーフードが水揚げされます。「Osake」も暖かいシーフード料理に合うように開発。島の人からも愛される日本酒として親しまれています。

 

YK3 Sake Producer(カナダ)

カナダ・ブリティッシュコロンビア州に拠点を構える「YK3 Sake Producer」。日本人の作り手である小林友紀氏、河村祥宏氏、春日井敬明氏によって立ち上げられた酒蔵になります。3人のイニシャルが「YK」であることから「YK3」という名前がつけられたそうです。

日本酒造りを細部まで理解した日本人が醸造しているため、常に高い品質の日本酒を生み出し続けています。酒米はアメリカ・カリフォルニア州で栽培されているカルフォルニア米を使用。精米歩合70%にして日本酒造りを行っています。

またブリティッシュコロンビア州は水が美味しいことでも有名な地域です。水道水も塩素処理されておらず、そのまま飲んでも十分に美味しい水が蛇口から出てきます。

この美味しいお水で造られた「Yu 悠」は、バンクーバーのレストランで提供され、カナダ各地へ出回っています。これからもカナダを盛り上げてくれる蔵元として、活躍してくれそうですね。

 

裸島〜ヌウグネ・エウ(ノルウェー)

ノルウェーにあるヌウグネ・エウ社は、クラフトビールを製造するブルワリーとして創業。人気のクラフトビールメーカーとして知られていますが、なんと2010年から日本酒の製造に乗り出しました。ヌウグネ・エウは日本語で「裸島」を意味するため、そのまま日本酒の名前になったそうです。

酒米は北海道産の「吟風(ぎんぷう)」を使用し、純米無濾過生原酒を醸造しています。まだ技術は成長途中ですが、ロンドンで開催された第一回SAKE品評会「ロンドン酒チャレンジ」では「裸島 山廃 酛しぼり」が金賞、「裸島 純米」が銅賞を獲得しています。年々レベルが上がっている「裸島」から目が離せませんね。

 

SAKE ONE(アメリカ)

アメリカ・オレゴン州に拠点を構える「SAKE ONE」。青森県の桃川酒造と共同出資で創業し、アメリカ人の舌に合わせた日本酒を醸造する蔵元です。

ワインと同じように楽しんで欲しいとの想いから、洋食に合わせた日本酒を開発しています。ホームページ上にも「酒は今では寿司に合わせるだけではありません」と記載してあり、こだわりの強さを感じられます。

またSAKE ONEでは、オレゴン州で日本酒のイベントを開催。日本酒の魅力を伝える活動をしています。アメリカから日本酒について発信している蔵元として、これからも頑張ってもらいたいです。

 

Sun Masamune(オーストラリア)

シドニーから車で1時間、ペンリスと呼ばれる街に、オーストラリアで唯一の酒蔵「Sun Masamune」があります。親会社は日本でビールや焼酎の製造を行っている小西醸造。日本の技術を元に、オーストラリアでも品質の高い日本酒造りを行っています。

また日本酒醸造に関わる機械は全て日本から取り寄せ、万全の状態で醸造ができる体制を整えています。日本でもここまで整った設備は珍しい、と言われるほどのこだわりようです。

酒米はオーストラリアで栽培されているアマルーという品種を使用。水はブルーマウンテンから湧き出る軟水を利用しています

銘柄は「豪酒(ごうしゅ)」がおすすめで、名前の通りオーストラリアの日本酒を指します。味わいや香りはオーストラリア人の舌に合わせて造られており、さっぱりとして、シャルドネのような味わいに似ているそうです。

広大なオーストラリアでも、日本酒が造られているとは驚きました。

 

堂島酒醸造所(イギリス)

イギリス・ケンブリッジに拠点を構える「堂島酒醸造所」。2018年に創業したばかりで、日本にある堂島麦酒醸造所が親会社となります。ヨーロッパに日本酒の蔵元が少ないことから、イギリスの進出を決めたそうです。

堂島酒醸造所は、ケンブリッジから車で30分ほどの田舎町にあり、自然豊かな環境で日本酒造りを行っています。酒米は山田錦と秋田酒こまちを使用。水は氷河期の地層から汲み上げた硬水を、軟化させて使用しています。

銘柄は精米歩合70%の「堂島」、古式造りの「懸橋(ケンブリッジ)」の2種類で、値段は1本1000ポンド(約15万円)ほど。高級酒路線を進むことで、日本酒の知名度や市場を広げる狙いがあるそうで、今後の活躍が期待されています。

少し値段は高いですが、これがきっかけで日本酒が世界に広まったら嬉しいですね。

 

東麒麟(ブラジル)

東麒麟はキリンビールを母体として、1934年に創業した酒蔵です。海外で日本酒を醸造する蔵元の中では最も歴史が古く、ブラジルのスーパーやコンビニでも気軽に購入できる日本酒として親しまれています。現在、ブラジルの日系人は約150万人を超えており、日本酒の需要は高いです。

歴史が深い理由は、戦前に日本から多くの移民が移り住んだ背景にあります。当時、三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎の長男・久弥「東山農場」を創業。日本の酒を製造し、販売をしていました。

しかし当時は品質も低く、飲むと頭が痛くなることから「あたま麒麟」と呼ばれていたそうです。そこから品質を高めるためにキリンビールに委託し、現在の美味しい東麒麟に生まれ変わりました。

ブラジル人からも好評で、サトウキビを原料としたピンガと東麒麟をカクテルにした「サケピリーニャ」が若者の間でよく飲まれています。ブラジルでは昔から日本酒の文化が根付いていたとは驚きです。

 

まとめ


今回は海外で造られる日本酒や酒蔵を紹介しました。海外で日本酒が愛されているのは嬉しいことです。

今後も日本酒が世界に広まっていくことが予想されており、蔵元も増えていくでしょう。海外旅行に行って、現地の日本酒を楽しむ時代がくるかもしれませんね。

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