七面鳥のバーボン、ワイルドターキーとはどんなウイスキー?

みなさんはお酒売り場で七面鳥のラベルを見たことがあるかと思います。「ワイルドターキー」と呼ばれるバーボンウイスキーの銘柄なのですが、なぜラベルに七面鳥が描かれているのかご存知でしょうか?

そんな謎を解明すべく、今回はワイルドターキーに着目!ラベルと銘柄名の由来や蒸留所の歴史、こだわりについても深掘りしていきます。

そもそもバーボンとは?

バーボンウイスキーとは、主にアメリカのケンタッキー州で生産されているウイスキーのひとつで、トウモロコシやライ麦、大麦などを原料にして造られます。

バーボンウイスキーには明確な定義が存在しています。

・原料の51%以上にトウモロコシを使うこと
・アルコール度数80%以下で蒸留すること
・熟成には内側を焦がしたオークの新樽を使うこと
・樽詰めする際のアルコール度数が62.5%以下であること

いくらアメリカ国内で生産されていても、すべてのウイスキーがバーボンを名乗れるわけではありません。
「ケンタッキー州で生産されるウイスキーがバーボン」と言われることがありますが、上記の条件を満たしていればアメリカ国内どこで生産されてもバーボンを名乗ることができるのです。

ちなみに2年以上熟成させ、水のみを加えてアルコール度数40%以上の状態で瓶詰めされたものは「ストレートバーボン」を謳うことができます。

ワイルドターキーの製造元

ワイルドターキーを製造するのはケンタッキー州ローレンスバーグにある蒸留所です。

この地域は石灰質の地質となっていて、石灰岩層を通過してろ過された水は「ライムストーンウォーター」と呼ばれます。「ライムストーンウォーター」にはミネラルが豊富に含まれているため、ケンタッキー州はいまや蒸留所がしのぎを削るバーボンの名産地として知られるようになりました。

ワイルドターキーに使われる仕込み水ももちろんライムストーンウォーター。土地の恩恵にあずかりながら、他のバーボンにも負けないこだわりのウイスキーを生み出しています。

ワイルドターキーの歴史

ワイルドターキーの前身は1869年に産声を上げたリピー蒸留所。家族経営の蒸留所ではありましたが、1893年にシカゴで開催されたワールドフェアではケンタッキーを代表する銘柄に選出されるほどの実力者となりました。

1905年、創業者の息子兄弟がリピー蒸留所を買収し、1940年に銘柄「ワイルドターキー」が誕生しました。

1970年にワイルドターキー蒸留所はオースティン・ニコルズ社に買収されます。ワイルドターキーを傘下に置くことで、オースティン・ニコルズ社はバーボン造りに注力するようになりました。

1980年になると今度はオースティン・ニコルズ社がフランスのペルノ・リカール社に買収されます。さらに2009年にはイタリアのカンパリグループによってワイルドターキーブランドが買収され、現在に至ります。

オーナーは幾度となく変わりましたが、ワイルドターキーの味は変わることなく造り続けられています。

ワイルドターキー・商品名とラベル

みなさんは、なぜウイスキーの商品名とラベルに七面鳥が使われているのか気になったことはありませんか?

ウイスキーの名前にワイルドターキーが使われるようになったのは1940年代のことです。当時のオーナーは七面鳥狩りを趣味としていて、七面鳥狩りに出かける時にはいつもバーボンウイスキーを1本携行していたそうです。

持参したウイスキーを狩り仲間に飲ませると徐々に評判を集め、仲間の一人が七面鳥狩りにちなんでそのウイスキーを「ワイルドターキー」と呼ぶようになりました。そのユニークな響きがオーナーも気に入ったらしく、ブランド名に「ワイルドターキー」と冠するようになりました。

七面鳥の顔が正面から横向きに変更された?

現在のラベルには横向きの七面鳥が描かれていますが、1990年代後半までは七面鳥が正面を向いていました。

横向きに変更された理由は「七面鳥の顔が怖かったから」だとか。1999年から横向きバージョンで描かれるようになりました。現行ボトルでは見かけなくなりましたが、インターネットオークションなどでは出品されていることもあります。

気になった人は、「ワイルドターキー」の時代ごとのラベル変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ワイルドターキーのこだわり

ワイルドターキー蒸留所では、今までに培ってきた味を守るためにいろいろな努力をしています。

・自家培養酵母
ワイルドターキーが長年こだわり続けてきた味には酵母が関わっています。
もろみを発酵させる際には自家製酵母菌株を使用していて、銘柄誕生して以来、半世紀以上にわたりブレない味を支えています。

・年に4回の品質チェック
原料となるトウモロコシやライ麦、大麦麦芽は年に4回も厳しい品質チェックを受けています。
厳選素材だけを使うのもワイルドターキーのポリシーで、蒸留所が目指す味わいを表現するのには欠かせないプロセスとなります。

・アルコール度数を抑えて熟成
先述しましたが、バーボンと名乗るには「樽詰めする際のアルコール度数が62.5%以下であること」と定義づけられています。
アルコール度数60%前後で樽詰めする生産者が多い中、ワイルドターキーでは54~55%の比較的低い度数で樽詰めを行います。理由は素材本来の風味や特徴を損なわないようにするためなのだとか。
原料の持ち味を最大限に引き出す工夫を凝らしているのもワイルドターキーのこだわりのひとつです。

ワイルドターキーの商品紹介

ワイルドターキーが気になる方に、一度は飲んでほしい商品をご紹介します!

ワイルドターキー スタンダード

商品名から察せられるように、ワイルドターキーシリーズの中で最もスタンダードな一本。2011年にイギリスで行われた酒類品評会では金賞を受賞!また古巣であるアメリカの酒類大会でも銀賞を獲得した経験があります。

6~8年熟成の原酒をブレンドして造られ、バーボンならではの濃いバニラのような香りが感じられます。スパイシーなキレや爽やかな酸味も持ち合わせていますが、全体的にバランスが取れた逸品となっています。

ワイルドターキー 8年

熟成年数8年以上の原酒をブレンドして造られた商品。バーボンらしいトゲトゲしさや奥深さを味わえる一本です。

アルコール度数が50%以上とかなり高めですが、水割りでいただけばより深い風味が感じられるようになります。

ワイルドターキー 13年

13年ものの原酒をブレンドして造られた一本。長期熟成させたことで荒々しさがマイルドになっています。

「バーボンの最高傑作」と呼び声が高く、洋梨やバニラのような香りと薬草を思わせる風味と酸味、穀物の甘さが絶妙に一体化したウイスキーとなっています。

まとめ

今回はワイルドターキーについて深掘りしました。確かに七面鳥が正面を向いているラベルは迫力がありすぎるような気もしなくはないような…。

ラベルやオーナーが変わっても変わらないこだわりで造られ続けているワイルドターキー。ウイスキー初心者の方もぜひバーボンの世界に触れてみては?