ステイホームを楽しもう~映画やドラマを楽しみながら、作中のお酒を一緒に

昔から、ドラマや映画のなかでは数多くのお酒が登場してきました。これは現代においても例外ではありません。

新型コロナウイルス(COVID-19)が再流行し、またその影響が大きい現在においては、再び「ステイホーム」の考え方が注目されつつあります。

今回はこの「ステイホーム」のときの強い味方となるテレビドラマや映画に注目をし、そこに出てくるお酒とともに作品を楽しむことを考えましょう。

そこで今回取り上げるのは、「Good Omens(グッド・オーメンズ。以下カタカナ表記)」と、その作品に出てくる「シャトー・ヌフ・デュ・パプ」です。

グッド・オーメンズってどんな作品?まずは作品の解説から


「作品に出てくるお酒」を楽しむためには、まずはその作品の概要を知っておかなければなりません。

グッド・オーメンズは、悪魔クロウリーと天使アジラフェルの2人と人間のお話です。

クロウリーとアジラフェルは、6000年前からの知り合いでした。アジラフェルは天使としての立場ゆえにクロウリーへの友情を頑なに認めようとしませんが、2人はそれでも、奇妙で、そして硬い友情で結ばれています。クロウリーとアジラフェルは、ほかの悪魔や天使とは異なり、人間や人間の作り出している文化を愛しているからです。

しかし、天使と悪魔は「ハルマゲドン」の準備を行っています。地球を破滅に導き終末の戦争へと至らせるハルマゲドンの契機となるのは、反キリストの子どもです。悪魔たちは、生まれたばかりの子どもと反キリストをすり替えようとし、その実行犯としてクロウリーが選ばれます。しかしクロウリーは間違って、同じ日に同じ場所で生まれた子どもとすり替えてしまいます。

地球と人間を滅ぼしたくないと願うクロウリーとアジラフェルは、さまざまな工夫をし、世界を守ろうとします。また、すり替えられたことによって悪魔からの干渉も天使からの干渉も受けずに育った反キリストや、預言者の血筋の娘、かつての魔女狩り軍の息子などを巻き込み、話はどんどん進んでいきます。

グッド・オーメンズは全6話で、アマゾン・プライムで配信しています。ハラハラするシーンはあるものの、全体的にコメディ要素も強く、かわいらしさとテンポの良さも持った良作といえるでしょう。

特に、クロウリーからアジラフェルへと向かう直情的な友情と、少しばかりわかりにくいながらもクロウリーを頼りにしているアジラフェルの気持ちは、見ている人の心を楽しませてくれます。アジラフェルがピンチのときにクロウリーがかけつけてきたり、アジラフェルの言葉にクロウリーが奮起したりと、「本来対決の立場にある天使と悪魔が手を結び、彼らの愛した人間世界を守るために動いていく描写」は、見ている人の心を熱くさせてくれること、まちがいありません。

ちなみに宗教的な話も絡んできますが、宗教の話がまったくわからなくても楽しむことはできます。しかし知っていると、より深い理解ができることでしょう。

コメディタッチで軽快に描かれるこの「グッド・オーメンズ」のラストについては各々で楽しんでいただきたいため、ここでは記しませんが、見終わった後に抱くであろう気持ちは決して悪いものではありません。

グッド・オーメンズに出てくるお酒を飲もう~シャトー・ヌフ・デュ・パプについて

さて、グッド・オーメンズを一度見た人ならば、確実に記憶に刻み込まれるであろうものとして、「シャトー・ヌフ・デュ・パプ」があります。

これは1話の後半に出てくるお酒です。ほかにも「シングルモルトのウイスキー」「タリスカー10年」などが出てきますが、明確にワインの名称として取り上げられているのは「シャトー・ヌフ・デュ・パプ」だけです。また、これは「1921年に、ダースで買ったワイン」と断言されています。

彼らは、アジラフェルの家(古書店)でこのシャトー・ヌフ・デュ・パプをワイングラスに注いで楽しみながら、実にくだらなく、益体もない会話をします。べろんべろんに酔っぱらった彼らは、最低でも4本のシャトー・ヌフ・デュ・パプを開け、酩酊します。ちなみにその後にお酒を抜く、というシーンもあります。

さて、このようにして楽しまれているシャトー・ヌフ・デュ・パプは、現在でも買うことができます!ただし、1921年に作られたシャトー・ヌフ・デュ・パプは手に入らないと考えた方が無難です。

また、仮に1921年に作られたシャトー・ヌフ・デュ・パプが手に入ったとしても、これが造られてから実に100年近く、現存していたとしてもそのシャトー・ヌフ・デュ・パプは飲用に耐えうるものではないと考えるのが妥当です。

特にクロウリーとアジラフェルは、シャトー・ヌフ・デュ・パプを「おいしいもの」として飲んでいます。ただ2人は、天使と悪魔ですから、特別な力を使ってシャトー・ヌフ・デュ・パプを保存していた可能性もゼロではありません。

なお、作中からわかるシャトー・ヌフ・デュ・パプの描写は、以下の通りです。

・赤ワインである(色はやや薄い)
・前述したように、1921年のものである
・現存する(そして日本で購入できる)シャトー・ヌフ・デュ・パプと、作中にあるシャトー・ヌフ・デュ・パプで完全一致のラベルのものは、恐らくはない

このようなことから、ここでは多少妥協をして「シャトー・ヌフ・デュ・パプ クロ・デュ・カルヴェイル2013」を選ぶことにしました。

シャトー・ヌフ・デュ・パプ クロ・デュ・カルヴェイル2013の特徴


95年ほども「生まれた年」が異なりますが、ここでは2013年の「シャトー・ヌフ・デュ・パプ クロ・デュ・カルヴェイル」について取り上げていきます。

価格は意外と安く、3500円~5000円と、比較的手ごろな値段で買うことができます。ブドウは、グリナッシュ・シラー・サンソーです。

シャトー・ヌフ・デュ・パプ クロ・デュ・カルヴェイル2013は、フランス・ローヌの畑で生まれています。実はシャトー・ヌフは、赤ワインだけでなく白ワインも作っている醸造所です。14世紀からその歴史を始め、多くの注目を集めます。

しかしシャトー・ヌフ・デュ・パプもまた、害虫フィロキセラには敵いませんでした。当時のオーナーが立ち上がり、組合などを作ってこれに対抗します。これがなければ、今日のシャトー・ヌフ・デュ・パプ クロ・デュ・カルヴェイル2013はなかったことでしょう。

シャトー・ヌフ・デュ・パプ クロ・デュ・カルヴェイル2013は、フレッシュでエレガントな風味がします。タンニンがしっかり感じられますが、ジューシーで穏やかです。ハーブ香とタルの香りに加え、チョコレートの香りもありますが、これはそれほど強くはありません。また、適度な辛みもあり、非常にバランスのとれた1本です。

比較的飲みやすいワインでもあるため、ワインにあまりむいていない人でも飲みやすいかもしれません。作中では食べ物と合わせていませんでしたが、丁寧に仕込んだ黒酢の酢豚などと非常によく合います。

まとめ

今回は「グッド・オーメンズ」と、飲みやすさと渋みを併せ持った「シャトー・ヌフ・デュ・パプ クロ・デュ・カルヴェイル2013」をご紹介しました。

「グッド・オーメンズ」1話と一緒にあけるとより楽しいでしょう。ステイホームが叫ばれる今だからこそ、「家で行える楽しみ」に注目していきたいものですね。

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