
グレンフィディックの特徴や歴史、おすすめの飲み方を解説
シングルモルトウイスキーを代表する「グレンフィディック」。
ウイスキー好きなら知らない人はいない銘柄で、世界で最も売れているシングルモルトとして有名です。
シングルモルトをボトルで購入すると5,000円以上しますが、グレンフィディックは3,000円前後。高品質なシングルモルトがリーズナブルな価格ということもあり、世界中で人気を集めています。
そこで今回は、シングルモルトを代表するグレンフィディックの特徴や歴史、おすすめ銘柄をまとめて紹介します。
グレンフィディックについて詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
グレンフィディックとは?
グレンフィディックとは、スコッチウイスキーを代表するシングルモルトウイスキーです。
シングルモルトとは、単一の蒸溜所で造られたモルトウイスキーを指します。
グレンフィディックは、ゲール語で「鹿の谷」を意味し、ラベルにも鹿のイラストが施されています。
スコットランド最大の産地「スペイサイド」で生まれ、世界のシングルモルト生産量の30%以上を占めています。
スペイサイドは、世界で最もウイスキー造りが盛んな地域で、グレンフィディックをはじめ「ザ・マッカラン」「ザ・グレンリベット」「ザ・バルヴェニー」など、有名な銘柄を生産。
現在は、世界180カ国以上に出荷され、グレンフィディックは世界を代表するトップブランドになりました。
グレンフィディックの歴史
1886年、ウィリアム・グラントによって、グレンフィディックは設立されました。
蒸留所はスペイ川流域の、通称「鹿の谷」に建てられ、1887年から製造を開始します。そこから家族一丸となり、高品質なウイスキーを造り続けます。
1963年になると、世界でも珍しいシングルモルトウイスキーを売り始めました。
当時は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーが主流で、シングルモルトはメジャーではありませんでした。
その理由は、単式蒸留のモルトウイスキーはクセが強く、飲みにくいイメージが合ったからです。
グレンフィディックはそこに目をつけ、シングルモルトで勝負することを決めます。最初は疑問視されましたが、その飲みやすさと品質の高さが認められ、世界中のウイスキーファンを魅了。
次第にシングルモルトが注目され、他の蒸留所でも生産されるようになります。まさにシングルモルトの産みの親であり、現在も世界を牽引し続ける銘柄といえるでしょう。
グレンフィディックの製法
グレンフィディックは厳選した大麦と、地層から磨かれて湧き出る仕込み水「ロビー・デューの泉」を使用して造られます。
まずは麦芽を糖化させ、それをウォッシュバックと呼ばれる木樽に入れて80時間近く発酵。その後、28の蒸溜機にて蒸留し、責任者が味や香りを見極めながら原酒を取り出します。
原酒の熟成は、アメリカンオークのバーボン樽、ヨーロピアンオークのオロロソ・シェリー樽で最低12年以上熟成(グレンフィディック12年の場合)させます。
グレンフィディックは工程毎に責任者を配置し、最高の環境でシングルモルトを製造しています。こういったこだわりから、世界一のウイスキーと呼ばれるようになったのです。
グレンフィディックの味やおすすめの飲み方
グレンフィディックの味や飲み方について解説します。
グレンフィディックの味
グレンフィディックは、シンプルでライトな口当たりと洋梨のようなフルーティーさが味わえます。
後から上品な甘さとミントのフレーバーが鼻を抜け、すっきりとした気分を味わえるでしょう。
グレンフィディックのおすすめの飲み方
グレンフィディックを味わうなら、ストレートがおすすめです。
熟した洋梨のような香りと、上品な甘さをダイレクトに感じられます。また炭酸で割ってハイボールにしても、洋梨のようなフルーティさが際立つでしょう。
シンプルな味わいのグレンフィディックは、ストレートと炭酸割りがぴったりです。
グレンフィディックの種類
それではグレンフィディックの代表的な銘柄をまとめて紹介します。
グレンフィディック 12年
グレンフィディック12年は、アメリカンオーク樽とヨーロピアンシェリー樽で最低12年熟成させたシングルモルトウイスキーです。
「世界で最も売れているシングルモルトウイスキー」と呼ばれ、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジで金賞を受賞した経験もあり、まさにシングルモルトの原点にして頂点といえます。
洋梨や柑橘類のような香りとほのかな甘さがあり、ウイスキー初心者にも飲みやすい銘柄です。
グレンフィディック15年 ソレラリザーブ
グレンフィディック15年 ソレラリザーブは、バーボン樽、ホワイトオーク樽、シェリー樽の3種の樽で最低15年以上熟成したモルトウイスキーを、ソレラバットと呼ばれる大桶で約6ヶ月間後熟したシングルモルトウイスキーです。
シェリー酒の熟成に用いられる、ソレラシステムを応用したウイスキーとして有名です。
シェリー酒のような香りとドライフルーツのような甘み、若干のスパイシーさがあり、より長い余韻を楽しめます。
グレンフィディック18年 スモールバッチリザーブ
グレンフィディック18年 スモールバッチリザーブは、アメリカンオーク樽、スパニッシュオロロソシェリー樽で、最低18年以上熟成させたモルト原酒をブレンド。
スモールバッチと呼ばれる小さめの樽で最低3ヶ月以上の後熟させたシングルモルトウイスキーです。
焼きリンゴやシナモンのような香りとバニラや洋梨のようなニュアンスがあり、濃厚なスイーツを彷彿とさせてくれます。
グレンフィディック21年 グランレゼルヴァ
グレンフィディック21年 グランレゼルヴァは、ヨーロピアンシェリー樽とアメリカンオーク樽で最低21年間以上熟成させたモルト原酒をブレンドし、カリビアンラム樽で約4ヶ月の後熟させたシングルモルトウイスキーです。
バニラのような味わいと、ジンジャーやイチジクのようなニュアンスがあり、複雑で濃厚な味わいを楽しめます。
グレンフィディック IPA エクスペリメント
グレンフィディック IPA エクスペリメントは、同じスペイサイドにあるクラフトビールメーカー「スぺイサイドクラフトブリュワリー」と共同開発した銘柄です。
グレンフィディックを熟成させた樽でIPAを1ヶ月間熟成させ、その樽でグレンフィディックを3ヶ月間熟成させるという珍しい製造方法を取り入れています。
洋梨や青リンゴのような香りとIPAの麦芽や苦味を感じられます。ウイスキー好きはもちろんのこと、ビール好きにもおすすめの銘柄です。
グレンフィディック12年を実飲レビュー
世界で最も売れているシングルモルトウイスキー「グレンフィディック12年」を実際に飲んでみたいと思います。
今回は炭酸で割ってハイボールにしてみました。
繊細な飲み口とほのかに洋梨のようなニュアンスを感じます。いつも飲んでいる安いウイスキーでは感じられないような繊細さと上品さがあります。
心地よい爽快感があり、あっという間に飲み干してしまいました。
まとめ
今回はシングルモルトを代表するグレンフィディックの特徴や歴史、おすすめ銘柄をまとめて紹介してきました。
価格もお手頃ですので、ぜひこの機会にシングルモルトの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。