
飲んだら虜!?リンゴのブランデー「カルヴァドス」とは
さまざまな原料でお酒が造られるようになった昨今。お米からは日本酒、麦からは焼酎、ビール、ウイスキー…ブドウからはワイン、ブランデーなどなどが造られています。
たくさん醸されているお酒の中でも今回は、あまりフォーカスされることがない「カルヴァドス(カルバドス)」についてご紹介したいと思います。
お菓子作りにも使われている「カルヴァドス」…。
筆者がパティシエだった時代に使用したことがありますが、あまりどんなお酒なのかを知らずに使っていました…。
実はよく知られていない「カルヴァドス」とは、どのようなお酒なのかご紹介します。
カルヴァドスとは
カルヴァドスとは、フランスの南西部ノルマンディー地方で造られる蒸留酒のこと。
ノルマンディー以外の地域で造られたリンゴの蒸留酒は「アップルブランデー」と呼ばれます。
コニャック、アルマニャックと並び、実は3大ブランデーのひとつとなっています。
コニャックとアルマニャックはブドウが主原料ですが、カルヴァドスにはリンゴが原料として使われています。(地域によっては洋ナシのブレンドも認められています。)
ブドウで造られたブランデーとは一線を画す味わいで、リンゴの風味が特徴的な蒸留酒です。
カルヴァドスの名前は、ノルマンディーの沖合で難破した船「El Calvador (エル・カルヴァドール)」という名前が語源という説があります。
カルヴァドスが辿ってきた歴史
カルヴァドスの歴史は古く、16世紀にはすでにリンゴの蒸留酒が造られていたという記録が残っています。
もともと知名度が高いわけではありませんでしたが、ヨーロッパにその名を知らしめたのは19世紀に勃発したフィロキセラ危機の時…。
フィロキセラとは、ブドウの木を根元から腐らせてしまう寄生虫のことです。
この小さな侵略者によってブドウが不作となり、ワインが生産できない時期がありました。
そこで!ワインの代替として飲まれるようになったのがカルヴァドス!!
ヨーロッパの多くの人々がこの味を知る運びとなりました。
ノルマンディーが戦場と化した後、生産は困難となり一時流通ができなくなりましたが、多くのメーカーや会社による企業努力のおかげで、カルヴァドスが復活!日本でも味わえるほどに発展を遂げました!!
製造方法
それでは、カルヴァドスの主な作り方についてご紹介します。
材料
カルヴァドスに使用されるリンゴはノルマンディー産のリンゴのみ!
800種類あるリンゴの中でも、規定によって定められた48種類のリンゴがカルヴァドスの原料となります。
その48種類には「ビター」「ビタースイート」「スイート」「サワー」といった4つのテイストがあり、これらのリンゴをブレンドしてカルヴァドスは醸されます。
どのようなプロセスを経てカルヴァドスが生産されるのかをまとめてみました。
リンゴがカルヴァドスと化すまで
①収穫 リンゴ アルコール度数0 果汁は100%
②醸造 シードル(リンゴの発泡酒) アルコール度数は2~8度ぐらい
↓
③蒸留 オードヴィードシードル(リンゴの蒸留酒) 無色透明
↓
④熟成 カルヴァドス 最低2年の樽熟成が必要で熟成によって黄金色になります。
アルコール度数は40度以上。
おすすめ銘柄【サントリー ブラー グラン ソラージュ】
カルヴァドス生産者の第一人者である「ブラー社」。
1825年に創業して以来、代々続く家族経営の会社です。
「グラン ソラージュ」は現在サントリーが販売しているため、日本でも手に入りやすい商品となっています。
フレッシュなリンゴの香りが特徴的な一本。
お値段もリーズナブルなので、初めてのカルヴァドスという方でもとっつきやすいです。
商品データ
産地 フランス ノルマンディー地方
ラインアップ カルヴァドス
アルコール度数 40度
おわりに
今回は魅惑の「カルヴァドス」についてまとめました。
度数高めで甘美な味わいは、酒飲みだけならず多くのパティシエをも魅了してきました♡
これからお菓子作りの材料としてリキュールの購入を考えられている方も、甘いお酒で食事を締めくくりたいという方も、「カルヴァドス」を一度試してみてはいかがでしょうか??