オーガニックワインと何が違う?話題のビオワインとは

ワインの製法には、「基本」はあるものの、作り手の考えや願いや信念も現れてきます。今回はそんな風に作られたものの一つである「ビオワイン」について取り上げます。

ビオワインとは

ビオワインとは、簡単にいえば「有機栽培でつくられたブドウを使ったワイン」のことをいいます。

ただ現在、この「有機栽培」という言葉は非常に多くのところで使われていること、また似たような意味の言葉もたくさんあることから、「有機栽培の正しい意味がわからない」という人もいるのではないでしょうか。

農林水産省では、「有機農業」を以下のように定義づけています。

1. 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
2. 遺伝子組換え技術を利用しない
3. 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業です。

引用:農林水産省「有機農業関連情報」

これが、日本における「有機農業」の定義です。このため、この定義にのっとるのであれば、「農薬を一切使わずに作られたブドウでなければ、ビオワインとは認められない」ということになります。

ただ、ブドウの栽培においては、これはほとんど不可能です。ブドウの栽培は非常に難しく、農薬を一切使わずに作っていくことは現実的ではありません。そのため、ヨーロッパではまた違う考え方をします。

ビオワインには「ビオロジック」という製法で作られたものと「ビオディナミ」という製法で作られたものがありますが、どちらの場合でも、農薬を使うことは認められています。ただ、そのときに使われる農薬には制限もあります。

まず、化学合成で作られた肥料は使うことができません。殺虫剤なども使用を禁じられています。ビオワイン(のブドウづくり)において認められている農薬は、ウドンコ病などに対するものだけです。

「ビオワイン」という呼称について

このように、本来「ビオワイン」という呼称には、(一部例外はあるものの)農薬の使い方などに厳しい制限があります。ただここで、また「日本とヨーロッパ諸国の違い」が出てきます。

日本では「有機農業」「オーガニック」を称することには上記で述べたような制限がありますが、「ビオ」と名乗ることには制限がありません。このため、実際には農薬をふんだんに使ってつくられたワインであっても、「ビオワイン」と名乗ることはできるのです(「オーガニックワイン」という呼称は使えません)。

もちろん、「農薬を使ってつくられるワインは、農薬を使わないでつくられたワインに味わいの面で劣る」とはいえません。実際、ワインを好む人のなかでも、「有機栽培にこだわらずに作ったワインの方が、味には優れている」という人もいます。

ただ、「どうせのむならば、環境に配慮したワインを選びたい」と考えて「ビオワイン」を選ぼうとしているのに、実際には農薬をしっかり使ってつくられたワインを選んでしまっていた……ということになっては悲しいものです。

日本において、有機栽培でつくられたブドウのワインを選びたいのであれば、この点には注意をしておかなければなりません。

亜流酸塩とビオワイン

なお、しばしば、「ビオワインは亜流酸塩(酸化防止剤)がはいっていないから、頭痛などが起こりにくい」という言説を見ることもあるかと思われます。
ただこれは、2つの意味で疑問が呈されるべき話です。

まず、亜流酸塩で頭痛が出るということは基本的にはありません。ワインに含まれている亜流酸塩くらいでは、頭痛を引き起こすほどの影響はないと考えるべきだからです(ごくまれに、過剰に反応する人はいるともいわれています)。

また、ビオワインのなかにも、亜流酸塩が使われているものもあります。亜流酸塩はワインの品質を保つために役立つものですから、ビオワインにも配合されていることがあるのです。

亜流酸塩をどうしても避けたいということであれば、「酸化防止剤フリー」のものを選びましょう。

ビオロジックとビオディナミ

ビオワインには「ビオロジック」と「ビオディナミ」に分けられます。日本では明確に分けられていませんので、ヨーロッパの判断基準を紹介します。

ブオロジックとは、動物のフンなどを使って作られるものであり、また有機肥料の利用などについても厳しい制限があります。さらに、これの場合は、亜流酸塩の量についても、「一般的なワインに比べて、その値が低いこと」が条件とされます。

ビオディナミは、これに加えて、星の動きなども計算に入れて作られます。より自然に近いかたちでつくられることが多いのですが、少々オカルトチックな栽培であるという見方もあります。

現在注目されているビオワインは、定義づけの難しさなどがあるものの、自然に負担をかけない作り方を心がけているという点では評価すべきものだといえるでしょう。

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