樽熟成が味わいのカギ!ウイスキー樽の種類と特徴は?

樽熟成が味わいのカギ!ウイスキー樽の種類と特徴は?

ウイスキーの造り手から、味わいの7割が熟成樽という意見があるくらい、ウイスキーの製造において大切なのが、熟成樽です。

かつてはウイスキーを入れる容器でしかなかった樽。しかし、ワイン、シェリー、ラムなどの空き樽にウイスキーを入れておくことで、ウイスキーに樽由来の味わいが移ることが19世紀に判明。以後、どんな樽に貯蔵するかが、ウイスキー造りのキーポイントになりました。

今回は、そんな樽熟成について、種類と特徴をそれぞれご紹介します。

ウイスキーの熟成に使われる、主な樽材

アメリカンホワイトオーク

ワインやシェリーなど、多くの酒類の熟成に幅広く使われているのが、アメリカンオーク樽です。

バーボンを筆頭に、アメリカで製造される多くのウイスキーは、アメリカンオークの新樽に貯蔵することが法律で定められている(コーンウイスキー、ライトウイスキーなど一部は古樽で貯蔵も可)こともあり、5大ウイスキーの熟成にも最も多く利用されています。

産地はケンタッキー州、ミズーリ州が中心で、樹齢約80年~100年程度のものが使われます。タンニンが少なく、バニラ香のバニリンや、ウイスキーの香り成分ウイスキーラクトン(オークラクトン)がとても多く、短期間で樽成分が液体に移りやすいのが特徴です。バーボンの貯蔵樽は、樽の内側を強火で炭化させるチャーリングを行います。

フレンチオーク、スパニッシュオーク(セシルオーク)

フランスの高級ワインやコニャックの熟成に使われることが多いフレンチオークと、コニャックやブランデー、ワインの熟成に使われているスパニッシュオーク。

樹齢は約120年~200年程度のものを使用。ウイスキーラクトンが多めなのをはじめ、ポルフェノール、タンニンなど、様々な香味成分が含まれています。ワインなどの熟成樽は、樽の内側を弱火でゆっくりと加熱して焦がすトースティングを行います。

コモンオーク(リムーザンオーク)

ワインやブランデー、コニャックの貯蔵に使われてきたリムーザンオーク。樹齢は約200年~260年のものを使用。バニリンやウイスキーラクトンが少なく、タンニンやポルフェノール類が豊富です。

ミズナラ(ジャパニーズオーク)

水分を吸収しやすく、漏れやすい性質のため樽材には本来不向きですが、戦後、海外から樽の調達が難しくなり、苦肉の策で山崎蒸溜所にてウイスキーの貯蔵に使われるようになったのがミズナラ樽です。

北海道や東北が主な産地で、樹齢200年~250年のものを使用。白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)とも評されるオリエンタルな香りは、近年は世界でも人気で、「シーバスリーガル ミズナラ12年」のように、海外でもミズナラ樽熟成の試みは始まっています。

ミズナラ樽熟成のウイスキーは、シングルカスクでは主張が乏しいため、「山崎」のように、シェリー樽やバーボン樽原酒のアクセントとして用いられることで、真価を発揮する樽とも言えそうです。

その他

チェリーウッド(桜)や、カエデ、ヒノキ、アカシアなどが用いられることもありますが、多くの場合は、シングルカスク(単一の樽)ではなく、他の樽で熟成された原酒とヴァッティングやブレンドされて使用されます。

ウイスキー熟成に使われる、主な樽のサイズ

バレル…容量約180l(リットル)

ウイスキーの貯蔵に最も多く使用。新樽は、バーボンなどのアメリカンウイスキーやカナディアンウイスキーの熟成に使われます。

ホッグスヘッド…容量約230l(リットル)

バレルを一度解体して、容量を増やすために大きい鏡板を貼った樽。

バット…容量約480l(リットル)

シェリーを熟成させた樽(香りづけのシーズニング含む)をウイスキーの貯蔵に転用、いわゆるシェリーバット。

パンチョン…容量約480l(リットル)

容量はバットほぼ同容量ですが、丈があり、横幅が短いずんぐりした形が特徴です。

クォーターカスク…容量約50l(リットル)

樽材は主にアメリカンホワイトオーク。「ラフロイグクォーターカスク」のように、短期間のウッドフィニッシュに使われます。かつてはプライベートカスクとして個人やバーなどに販売されていたのもこのサイズが中心です。

近年はウイスキーの本場、スコットランドでも法改正により熟成に使える樽の種類が増えたことで、日本のニッカウヰスキーが親会社であるトマーティン蒸溜所で造られているヘビーピーテッドな「クボカン」のクリエーションシリーズでは、「ブラックアイルブリュワリー・インペリアルスタウト」のビール樽や、焼酎樽で熟成した原酒をブレンドしています。

ウイスキー貯蔵に使われる樽は何回まで貯蔵可能?


アメリカンウイスキーは、コーンウイスキーなどを除くほとんどが新樽で熟成されます。バーボンなどアメリカンウイスキーやシェリー、ワインなどを熟成させた樽に、初めてウイスキーを貯蔵したものをファーストフィルといい、2回目以降に詰めたものをリフィルと称しています。

当然、樽の香味成分が最も強く抽出されるのがファーストフィルで、セカンド、サードと、貯蔵を繰り返すごとに、ウイスキーに移る香味成分は少なくなっていきます。

まとめ

いかがだったでしょうか。冒頭でも説明したように、ウイスキーは樽の種類によって大きく味わいを変化させる奥深いお酒です。

まずは、様々な樽の香りや特徴を飲んで試してみるのが良いでしょう。

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