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珍しい国の白ワインを飲もう!ペルーの「タカマ シャルドネ」について

世界には多くのワイン名産地があります。しかしながら、ワインの産地といえば、ヨーロッパ・チリ・アメリカ・オーストラリアというイメージが強く、それ以外の国にはなかなか目を向けるのが難しい…という人も多いのではないでしょうか?

もちろんこれらの国のワインも非常においしいものですが、世の中には他にもたくさんの魅力的なワインが存在します。今回は、そんなワインの中から「ペルー産のワイン」を取り上げます。

ペルー産ワインの誕生の背景

まずは、ペルー産ワインがどのようにして生まれ、どのように発展してきたのか、ペルーの歴史と環境からひもときます。

ペルーの歴史

ペルーは、南米の西部に存在する共和制の国家です。ブラジルやボリビア、エクアドルと接しているだけでなく、南米の一大ワイン名産地であるチリとも接しています(ペルーの南にチリがあります)。

紀元前から文化が発展していた国ではありますが、スペインによる苛烈な支配などが行われた土地でもあり、この土地に栄えていたインカ帝国も滅亡したという凄惨な歴史も持っています。

ペルーでワインがつくられ始めたのは、16世紀頃だといわれています。スペインによる統治は、皮肉なことに、ペルーに「ワイン」という文明をもたらしました。このワインの普及には、スペインによる「キリスト教の布教」が関わっていたと言われています

キリスト教にとって赤ワインはキリストの血を表すものであり、儀式に使われるワインを育てさせることはキリスト教の布教と密接に関係していました。チリもまた、このような流れを受けて、ワインづくりを始めたとされています。

ペルーの気候・環境

もっとも、ペルーのワインはチリほどの進展は見せませんでした。これはペルーの風土や気候によります。ペルーの場合、チリに比べると気候がワインづくりに向かず、あまり広がらなかったのです。ペルーには熱帯雨林が多く、ワインを育てるための環境としては今ひとつでした。

加えてここに、フィロキセラというブドウに害をもたらす害虫(フランスのワインを壊滅状態に陥れるほどの大問題となった経緯がある害虫。別名、ブドウネアブラムシ)の影響が非常に大きく、ペルーにおいてはワインはそれほど大きくは取り上げられなかったのです。

この傾向は現在も続いており、いまだにペルー産のワインが大きく取り上げられることはほとんどありません。ペルー現地のレストランであってすら、ペルー産のワインがオンリストされることはあまりなく、ほとんどが外国産で占められているという現状があります。

現状のペルー産ワインの特徴

しかしこのような苦境にあっても、ペルーでワインをつくり続けていこうと考える人もいました。詳しくは後述しますが、タカマワイナリーなどはそのうちのひとつです。

上でも述べたように、ペルーは「ワインづくりに向いた気候を持った国である」とは決して言えません。しかし一部の地域(イカ州やモケグア州など)は、熱帯雨林が多いペルーにおいても比較的涼しく、ワイン用のブドウを栽培できる環境が整っています。このため、ここで栽培されるブドウを使ってワインがつくられています。

生産量は決して多くはないものの、赤ワイン用のブドウとして、マルベックやメルローなどがよく育てられています。また、あまり聞き慣れないブドウの品種である「タナ(ウルグアイより伝来)」もペルー産のワインの原材料となっています

白ワインとしては、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどの国際品種が有名です。

「どこで、だれが、どのように、何年につくったワインなのか」によって、そのワインの味わいは異なります。ただペルーのワインは総じてフルーティーな果実香を持っているとされており、また花のような独特の華やかさを有しているともいわれています。

ペルーでもっとも長い歴史を持つワイナリー

まずは、「タカマ シャルドネ」をはじめとしたワインをつくる「タカマワイナリー」についてご紹介します。

「タカマワイナリー」は、ペルーでもっとも古い歴史を持っているワイナリーです。それだけではなく、チリなどを合わせた南米大陸のなかでももっとも長い歴史を持つ、南米大陸最古のワイナリーなのです。その起源は1540年代にまでさかのぼるといわれており、フランシスコ・デ・カラバンテスによってひらかれたとされています。

チリ最古のワイナリーに先駆けること250年ほど前にひらかれたこのタカマワイナリーは、ペルー産ワインを象徴するワイナリーとなっています。

現在、日本で特に意識なく「ペルー産のワインを」と考えた場合、おそらくこのワイナリーのものがもっとも多く見つかるかと思われます。価格もそれほど高くなく、2000円~5000円程度のものが多いため、比較的買いやすいのも魅力です。

また、このワイナリーでつくられるワインは、さまざまなコンクールでも取り上げられ、良い成績を収めています。

過去から今に至るまで、ペルーのワインはこのタカマワイナリー抜きに語ることは難しいと言えるのです。

タカマワイナリーの「タカマ シャルドネ」を飲んでみよう

さて、ここからはペルーで長い歴史を持つタカマワイナリーの「タカマ シャルドネ」の味わいについてレビューしていきます。今回試飲したタカマ シャルドネは、2017年のものです。

タカマ シャルドネの味わい

ハチミツの香りが支配的で、そこに杏やナッツの香りがわずかに混じります。貴腐ワインに代表されるデザートワインにも似た香りが感じられ、口の中に、華やかで芳醇な香りがよく広がります。

甘みも比較的強いワインではありますが、酸も美しく出ているため、とても飲みやすいのが特徴です。非常にエレガントな香りを楽しめる1本であり、ある程度温度が上がった後でもおいしく飲むことができます。そのため、温度管理に気を使いすぎる必要がなく、気軽に飲めるのも大きなメリットだといえるでしょう。

ペルー大使館公認

ちなみにこの「タカマ シャルドネ」は、ペルー大使館で行われる催し物にも採用されているそうです。大使館に公式に認められたワインであるのに、価格は2500円前後と、テーブルワイン程度の値段で買うことができるのも魅力です。その上、ラベル(外見)も高級感のあるものですから、さまざまなシチュエーションで楽しめます。

「安くおいしく見栄えがして、エピソードもあり、珍しく、さらにペルーの風土を色濃く反映するワイン」という、とても「オトクな」ワインだといえるでしょう。味わいとしても嫌味がない味ですから、ペルー産のワインを初めて試す人にもおすすめです。

料理との相性

「タカマ シャルドネ」は白ワインではありますが、比較的味が強く、豊かな甘みときれいな酸を持っています。そのため、魚料理だけではなく、お肉料理ともある程度合わせることができます。

たとえば、豚肉をレモンとはちみつ、マスタードで煮込んだ「豚肉のレモンハニーマスタード煮」などとは非常に相性が良いでしょう。「タカマ シャルドネ」の特徴であるはちみつ香は、豚肉のはちみつとよくマッチします。タカマ シャルドネの甘味も相性がよく、かつワインの酸が最後に豚肉をきちんとまとめてくれます。

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まとめ

今回は、タカマ シャルドネに焦点を当て、ペルー産のワインをご紹介しました。

ペルーのワインは、生産量が少なく、またバリエーションも多いとは言えません。しかし、チリ産とはまた少し異なる南米のワインは味わい深いものがあります。ぜひ1本は試してほしいものです。

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