バーに行ったら「ジントニック」を1杯目に頼んでほしい3つの理由

「せっかくならば、バーらしいお酒を飲みたい」「バーに行くとたくさんのお酒があって、どれを頼もうかいつも迷ってしまう」と考えるのならば、最初の1杯は、「ジントニック」がおすすめです。

ジントニックの歴史や特徴をはじめ、なぜジントニックが「バーでの最初の1杯」に適しているのかを解説していきます。

ジントニックとは


ジントニックは、ジンとトニックウォーター、そしてライムのカットやスライスを使って作るカクテルです。ただ、ライムは諸説あり、果物としてのライムではなく、ライムジュースを利用することもあります。また詳しくは後述しますが、バーテンダーあるいはバーごとによって、その配合などは多少異なります。

基本的には、ジンの豊かな香りとトニックウォーターのみが持つ独特の香り、そしてそこに添えられたライムのすっきりさを味わうもので、さわやかで飲みやすく、辛口の味わいに仕上がるのが特徴です。ジンはもともと比較的飲みやすいアルコールとして知られていますが、ジントニックであればさらに親しみやすい味わいとなります。
カクテルを飲みなれていない人が飲んでもおいしく飲めるうえ、自宅でも気軽に使われるカクテルであるため、広く愛されてきました。

そんなジントニックには、非常に長い歴史があります。ジントニックが生まれたのは17世紀ごろの大航海時代~その終わりくらいだとされています。イギリスやフランス、オランダなどが海外進出を行っていた時期でもあり、東アジアでの領土争いも活発化していた時期でした。
慣れない気候や風土病に悩まされていた船団の駐在員は、それから逃れるために食べ物や薬に救いを求めます。そのうちのひとつが、「キニーネ」でした。
キニーネとは、海抜1500~2000メートルのあたりに生えるキナの木からとられる成分です。このキニーネは、当時多くの人を死に追いやったマラリアの特効薬として知られていました。
しかしキニーネは非常に苦く、そのまま食するのに適さないものであったため、これをなんとかして取り入れようと考えた人が、現在のトニックウォーターの起源)を開発したとされています。

キニーネに炭酸水と甘味料(砂糖)を加え、当時のジン「ジュネヴァ」を混ぜて飲み、その薬効を取り入れようとしたわけです。

現在でこそ抗マラリア薬なども開発されていますが、現在でもキニーネ注射薬などが存在します。このように切実なニーズから登場したジントニックは、やがて世界に広まり、多くの人に愛飲されるようになりました。

ジントニックをバーで1杯目に飲む理由

BARTIMESが81人を対象としてとったアンケートでは、「1杯目はジントニック」と答えた人の割合は43.2%にのぼっています。なぜ、それほどまでに圧倒的な人気なのでしょうか?

その理由は、以下の3つに大別されます。

1.比較的軽くて、胃の準備運動になる
2.バーテンダーのプロとしての実力を知ることができる
3.バーテンダーの個性を味わえる

ひとつずつみていきましょう。

参照:BARTIMES「第二回「当たり前の風景、そうではない風景」

【理由①】胃の準備運動


ジントニックの度数はレシピによって異なりますが、おおむね5~20%程度と、低い~普通で刺激が少ない傾向にあります。
また、胃を活性化させる効果があるとされています。氷を用いて作られること、ライムのさわやかな香りを味わえること、甘味の少ないカクテルであることから、夏場でもすっきりと飲みやすく、口の中をリセットさせ、食欲を増進させてくれる効果も見込めます。

またジントニックはすばやく出せるカクテルであるため、「初めの1杯」「時間をかけずにすぐに飲みたいとき」にも利用しやすいというメリットもあります。
ジントニックを飲みながら次のカクテルのことを考えるのもよいでしょう。

【理由②】バーの実力を知ることができる


「ジントニックは家でも比較的簡単に作ることができるお酒である」と最初に述べました。
しかしジントニックは、プロが作るのと素人が作るのとでは雲泥の差が出るカクテルでもあります。
温度管理や素材、配合のバランス、出すタイミングなどによってカクテルの味は異なりますが、「家でたくさんカクテルを作っている」という人であっても、あるいはそういう人であればあるほど、プロと素人の差を感じることができるでしょう。

ジントニックはシンプルであるがゆえに、バーテンダーの技量の差がグラスに大きく出るカクテル。ごまかしがきかず、それゆえにバーテンダーの力がストレートに映し出されるため、プロのバーテンダーのなかでも、「ジントニックを頼まれると緊張する」という人もいるほどです。

ある程度お酒やカクテル、バーに慣れた人にこそ、「作り手側のレベルがそのまま表れるジントニック」は試す価値のある1杯となるでしょう。

【理由③】バーの個性が味わえる


何度か述べてきているように、ジントニックは非常にシンプルなカクテルです。そして同時に、複数のレシピが存在するカクテルでもあります。
基本ともいえる「ジンとトニックウォーターの分量」すらも明確に決められてはおらず、バーテンダーの裁量にゆだねられます。加えてライムも、カットにするかスライスにするか、それともライムジュースにするかで違いがみられます。そもそもライムではなくレモンを使用するかなど、バーテンダーによって異なります。

また、ジントニックのメインでもある「ジン」には膨大な種類があります。使うジンによって、ジントニックの味わいはまた大きく変わってくることになります。どのジンを使って、どのような分量で出すかによって、定番のカクテルであるはずのジントニックはまったく別物のような味わいになるわけです。

このようなことから、「バーテンダーの個性が如実に表れるカクテル」とも評されます。最初の1杯にジントニックを頼んでおけば、そのバーがなんとなく自分に合っているかどうかも分かるようになるかもしれません。

まとめ

今回はジントニックを1杯目に頼む理由を3つ分けて深堀してみました。

初めは「薬」として誕生したジントニックは、今やバーにおいて欠かすことのできない定番カクテルとなっています。

バーの実力や個性を味わいながら、自分好みのジントニックやバーを探していってみてはいかがでしょうか。