ウイスキーの質を決めるブレンダーの仕事とは?

複数の蒸留所で造られたウイスキー原酒を掛け合わせたブレンデッドウイスキーは、世界で出回っているウイスキーの約9割を占めています。

最もポピュラーなウイスキージャンルと言えますが、原酒を掛け合わせる「ブレンダー」はブレンデッドウイスキーには不可欠な存在となります。表立つことはありませんが、ブレンダーにはどんな役割があるのでしょうか。

今回はウイスキーのブレンダーについてフォーカスし、プロブレンダーに必要な資質についても深掘りしていきます。

ブレンダーに必要とされること

プロフェッショナルのブレンダーにもなると、少しの味の違いにも気付ける繊細な味覚が必要となります。
常に感覚を研ぎ澄ませなければならないため、仕事の前日はニンニクなどの香りの強い食べものは避ける傾向にあるようです。

また鋭い感覚を持った状態をキープするのもブレンダーの仕事。規則正しい生活を心がけることで常に一定のコンディションを保つことができます。

ただ、どれだけ気にかけていても日々の体調は微妙に変化していくもの。そこで、ブレンディングの仕事に取り掛かる前には数名でテイスティングのすり合わせを行い、自身のコンディションに異常が無いかを確かめます。

ブレンダーが持つ2つの役割

ブレンダーの仕事はウイスキーの掛け合わせだけはありません。原酒の品質管理もまたブレンダーに求められます。

原酒のブレンド

原酒のブレンドと端的に言ってもさらに2つの目的があります。ひとつは新商品の開発、もうひとつは既存商品の品質維持やリファイン(改良)です。

メーカーが目指す理想の味わいを新しく生みだすことも仕事のひとつですが、実は既存商品の品質維持をするのにブレンダーの手腕が試されます。

限りあるウイスキー原酒を掛け合わせて、すでに存在しているウイスキーの味を表現しなければなりません。

原酒の管理

原酒不足が叫ばれている中で、限りあるウイスキーを管理することは責任重大な仕事。どの原酒をどれくらいの割合でかけ合わせればどれほどの量が生産できるのかまでを把握しなければなりません。

また、将来的に必要となるウイスキー原酒の量を算出するのもブレンダーの仕事です。特に看板商品は長期的な需要があると見込まれるので、予定出荷量から逆算して定期的に仕込みが行われています。

どんなウイスキーを混ぜるのか

一般的に違う種類のウイスキー原酒を混ぜたものがブレンデッドウイスキーと言われますが、違う種類とはどんなものでしょうか?

実は違う蒸留所で造られた原酒を掛け合わせる以外の方法でもブレンデッドウイスキーを名乗ることができます。

単一蒸留所でもモルトウイスキーとグレーンウイスキーを掛け合わせたもの、また複数の樽で熟成された年数が異なる原酒を掛け合わせたものもブレンデッドウイスキーとなります。

一般人がブレンダーになれる可能性

五感の繊細さが求められるだけに一人前のブレンダーとして活躍できるのはほんのわずかで、相当狭き門となっています。
しかしブレンダーになれる可能性はゼロではありません。ごく普通の味覚の持ち主でも、努力次第でウイスキーブレンダーになることができます。

プロのブレンダーとなるまでに辿る道としては、日本国内で例えるとサントリーやニッカウヰスキーといったウイスキーを製造するメーカーで、ある程度の経験を積んでからブレンダーになるという流れが多いようです。

感覚を鋭くさせるためにはトレーニングが欠かせませんが、晴れて一人前のブレンダーとなった暁には人気銘柄のブレンディングにも携われるようになります。

専門の知識を身に付けたブレンダーの長はチーフ・ブレンダー、最高責任者はマスター・ブレンダーと呼ばれます。

まとめ

今回はウイスキーブレンダーについて深掘りしました。

ウイスキー原酒を掛け合わせるだけでなく管理能力も必要とされるウイスキーブレンダー。裏方で活躍するブレンダーの存在を感じながらウイスキーを味わってみてはいかがでしょうか?

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