ハマるとやみつき!?ウイスキーのピートってどんな香り?

皆さんはウイスキーのあの独特の風味をもたらすものは何かご存知でしょうか?その答えは、「ピート」と呼ばれるものです。

世の中にはピートが無いと成立しないウイスキー銘柄がたくさん存在しています。一体ピートとはどのようなものなのでしょうか。

今回はウイスキーのピートに焦点を当て、ウイスキー造りにピートが使われるようになった背景や、ピートがウイスキーに与える香りの種類についてもまとめていきます!

ピートとは

ピートとは日本語で「泥炭」という意味。「泥炭」とは固形になりきれなかったドロドロの炭のことを言います。

ウイスキー造りではモルトを乾燥させる時に用いられています。ピートで乾燥させたモルトは「ピーテッドモルト」と呼ばれ、ピートを用いずに乾燥させたモルトは「ノンピーテッド」と言われます

ピートの主な成分は枯れたシダ類やコケ類などの植物です。ウイスキー造りが盛んなスコットランドやアイルランドでは「ヒース」と呼ばれる植物がピートの主成分となっています。

主に寒冷地の湿地帯で形成されるので、日本でピートができるのは北海道など、ごく一部の地域に限られています。数cm堆積するのに100年、15㎝堆積するのに1000年と言われているので、無限に見えて実は限りある資源であることが伺えます

形はありませんが可燃性はあるので、火をつけるとしっかり燃えます。北海道ではたばこの火の不始末などが原因で野火騒ぎが多かったのだそう…。

乾いた泥炭層に火が入ってしまうと地中を通して燃え続けるため、鎮火するまでに長い時間がかかってしまうのです。地上では消火できたように見えても地中で静かに燃えていることがあるため、また別の場所で火が上がってしまうという非常に厄介な性質を持っています。

ピートの歴史

昔ピートは燃料として使われていました。春に泥炭を掘り起こし、夏に乾燥させて、寒い冬場には暖房用の燃料となっていたのです。

ウイスキー造りにピートが用いられるようになったのは18世紀。まだウイスキーが密造されていた時代のことです。当時はお酒に高額な税金がかけられていました。

ウイスキー生産者はお役所にバレることなくウイスキーを造る方法として、その辺の地面に埋もれていたピートを燃料として使いピートを乾燥させることを思いつきます。これがピーテッドモルトの始まりだとされています。

ウイスキーを隠すのに必要不可欠だった樽には、シェリー酒の空き樽を使用していました。高額な酒税を免れるため考え抜いた末に生み出された方法が、ピートが香るウイスキーの源流となったのです

1823年に酒税が引き下げられてからは、こっそり行なっていたウイスキー造りが活発化し、政府公認の蒸留所がたくさん誕生しました。こうして密造時代に行われたウイスキー造りは近代ウイスキーのいしずえを築き、ピート感あるウイスキーが認められるようになったのです。

現在もクセのあるウイスキーが飲めるのは、密造していた先人たちのおかげと言えるでしょう。

ピートがウイスキーに与える影響

ピートでモルトを燻すことでウイスキーからピート香が感じられるようになります。ピートはクセが強い系ウイスキーにおいて香りの決め手となることが多く、ピート香を持つウイスキーのほとんどは好き嫌いが分かれるフレーバーとなります。

スコッチウイスキーやスコッチを源流とするジャパニーズウイスキーも、モルトの乾燥はピートで行われます。しかし、モルトを乾燥させる全工程をピートで行うと匂いがきつくなりすぎてしまいます。

そこで蒸留所は、モルトを目標の段階になるまでピートで燻しきったら、煙が出ない燃料にシフトさせます。各蒸留所ではモルトに必要以上の香りがつかないように乾燥させていく手法を取っています。

ピート香の表現

ピーテッドモルトのウイスキーは燻したような独特の香り・風味を持ち、この特徴は総じて「スモーキー」と評されます。しかし実は「スモーキー」の中にもいくつか種類が存在していて、ウイスキーをどう感じたかによって使い分けることができます。

ピーティー

燻製の芳ばしい香りが感じられたなら「ピーティー」という表現を使いましょう。スモーキーな香りの中では良い薫香に属するので、ピーテッドモルトでは比較的飲みやすいクセのあるウイスキーと言えます。

メディシナル

薬、正露丸、実験室など、とにかく薬品を思わせるような芳香を感じたのであれば、それは「メディシナル」なウイスキーです。賛否が分かれるタイプでハマる人はどハマりし、嫌いな人はとことん嫌うという極端な二面性を持ったウイスキーとなります。

ハーシュ

あまりよろしくない表現です。「harsh」自体に「厳しい」や「荒々しい」「どギツイ」といった意味が含まれるため、ネガティブな意味で使われがちなワードです。日常会話で使う分にはいいですが、ウイスキー生産者の目の前で試飲するときなどは使わない方が良いでしょう。

まとめ

今回はピートについてお伝えしました。ウイスキーが密造されていなければ、クセのあるウイスキーが私たちの口に入ることは無かったんですね。先人たちの知恵は偉大です。

ピーテッドモルトウイスキーの特徴について知った後は、どギツイ系統のウイスキーもぜひチェックしてみてくださいね!

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