
小説家を口説き落とした焼酎「百年の孤独」とは?
焼酎の種類は数あれど、プレミアム焼酎を口にできる機会はなかなか巡ってきませんよね。銘柄「百年の孤独」もまた滅多にお目にかかれないレアなお酒として全国にその名を轟かせています。
今回は「百年の孤独」に焦点を当て、名前の由来や特徴、人気の秘密についても迫っていきます!
目次
百年の孤独とはどんなブランド?
「百年の孤独」とは宮崎県で造られる麦焼酎ブランド。日本の天皇陛下や皇太子様も口にしたと紹介されたことがきっかけで「百年の孤独」は一時ブームとなりました。
ブームが沈静化した後も根強い人気を誇り、今もなお全国にいる多くのファンを魅了しています。
百年の孤独の製造元「黒木本店」
「百年の孤独」を製造するのは宮崎県の中央に蔵を構える黒木本店。1885年創業の由緒ある蔵元で、芋焼酎の「㐂六(きろく)」や米焼酎の「野うさぎの走り」など多くの商品を生み出しています。創業当初から焼酎一筋の製造を続け、地域に根ざした地焼酎造りを行なってきました。
焼酎の原料には、黒木本店で大切に育てられたものが使われています。焼酎メーカーというと、外注した原料を用いて自社工場にて蒸留・熟成させることが多いのですが、黒木本店では原料の栽培から焼酎造りを行なっています。自然循環型農業も行っており、焼酎を製造する過程で出てくる廃棄物を有機肥料として自然に還す取り組みをしています。
また仕込み水には、尾鈴山水脈から出る小丸川の伏流水が使われています。地域の恵みを余すことなく活かす焼酎メーカーとなっています。
百年の孤独の秘密
「百年の孤独」が人気の理由はいくつかあります。
ウイスキーさながらの熟成方法
一般的に焼酎は、蒸留された後すぐにボトリングされてから出荷されます。しかし「百年の孤独」の場合は蒸留後に樽熟成が行われます。ホワイトオークの樽で焼酎を熟成し、3年熟成、4年熟成、5年熟成の原酒がブレンドされ出荷されます。
このプロセスは、麦を原料にした原酒をオーク樽で熟成させ、違う樽の原酒をヴァッティング(ブレンド)させるウイスキーの製法によく似ています。味わいも洋酒のような香りと麦の芳ばしさが感じられるので、ストレートやロックで風味を楽しむことが多い品です。焼酎の中でも特徴のある製法ため、普段ウイスキーを飲むという人にも受け入れやすいでしょう。
インパクトある銘柄名
「百年の孤独」という名前は、コロンビア出身のガブリエル・ガルシア=マルケスの小説が由来となっています。文学がお好きであればご存知の方もいらっしゃるのでは?
文学好きの4代目はマルケス氏に電話をして、商品名として「百年の孤独」を使用したいと直談判したのだとか!許可が下りた後、4代目はマルケス氏本人に直接お礼を言うためにコロンビアまで飛び立ったとか。マルケス氏が亡くなった2015年には追悼の意を表し、バカラのボトルに入れられた「百年のボトル」を限定販売しました。
百年の孤独をゲットする方法
「百年の孤独」は定価で3,300円前後で買えるのですが、熟成期間などで手間ひまをかけて造られているので市場に出回る本数は多くありません。その希少性の高さからプレミア価格で取引されることがほとんどです。
ネット通販などでも「百年の孤独」はありますが、プレミアム価格のためおよそ5,000円前後からの販売が多く見られます。居住地域の近くに特約店がある場合は定価でも手に入る可能性がありますので、気になるという人は黒木本店のHPに特約店一覧がありますのでそちらを見られてみてはいかがでしょうか。
黒木本店もうひとつのブランド
黒木本店の注目すべきもうひとつのブランドが「中々(なかなか)」!「百年の孤独」の原酒としても使われている銘柄です。すっきりと軽い口当たりの中々は、ロックやお湯割りにして食中酒として楽しむと良いでしょう。
中々の原酒を一年半ほど熟成させた「陶眠 中々」という商品もありますので、気になる方はぜひ大型スーパーやネット通販などでチェックしてみてくださいね♪
まとめ
今回は「百年の孤独」についてまとめました。小説の名前が由来だったのは意外だったのではないでしょうか。小説の作者もまさか焼酎蔵の当主から直談判されると思ってもみなかったと思います。
お酒好きも固唾をのむプレミアムな焼酎、ぜひ一度お試しくださいね!