黒酢を使った豚塊肉の酢豚に一番合うお酒とは?

お酒は、それ単品で飲んでもおいしいものですが、料理と合わせることで真価を発揮するものもあります。ただお酒の種類も料理の種類も無数にあり、「どれにどれを組み合わせればよいかわからない!」と悩む人も多いことでしょう。

ここではそんな人のために、「1つの料理に複数のお酒を掛け合わせて、それぞれの相性をレビューしていく」という試みを行おうと思います。

ただ、ここで出ているレビューは「唯一絶対の正解」ではありません。
お酒の保管状態や温度によっても評価は変わりますし、料理の味付けによっても評価は変わります。

また、結局のところ食事とお酒の評価は「個人の舌、個人の味覚」によって決定されるものだといえます。そのため最終的な判断は、一人ひとりがしていかなければなりません。

しかしまったく知識がないなかで選ぶよりは、下地を整えてから選んだ方が楽にはなるでしょう。本記事がその「下地」になれれば幸いです。

今回使うお酒について

今回使うお酒は以下の通りです。

ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スプマンテ・ブリュット NVピエロ・マンチーニ(スパークリングワイン)

イタリアのサルディーニャ州で生まれたお酒であり、少し珍しいブドウである「ヴェルメンティーノ」100%で作られているワインです。辛口に分類されるお酒であり、すごくすっきりとした、鼻に抜けるような香りを持ちます。

若い青りんごやレモン、ライムのような香りを持ち、非常に強い辛みを出しています。またミネラル感もしっかりと感じられ、主張の強い塩味のワインとなっています。
のど越しがよく、キレのある泡も特徴です。
夏~初秋にぴったりのスパークリングワインだといえるでしょう。

農民ドライ(白ワイン)

2019年に作られた農民ドライは、ミュラー・トクルガウ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、バッカス、ケルナーを合わせて作られています。日本の栃木県で作られている辛口のワインであり、レモンの風味が支配的です。やや苦みもあります。

ミントや火打石の香りが感じられるかどうかは、個人差があるでしょう。青りんごの香りもあります。
ドライで夏向き、フレッシュで若々しく切れ味のよい白ワインに仕上がっているのが特徴です。

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シャトー・ランクロ トリプルA(赤ワイン)

フルボディのワインとして、フランスのボルドーで作られました。造り手はシャトー・ランクロで、メルロー/カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨンを合わせて作っています。今回のテイスティングで選んだのは2008年のもので、比較的長い時間をかけて熟成されたものです。

非常に濃いカシスの香りが感じられますが、黒スグリの香りも存分に感じられる1本です。特に、実際に口に含んでみると黒スグリの香りが非常によく広がるでしょう。
タンニンはしっかりあるものの、やや柔らかな曲線をまとっているため、「飲んでいて喉にひっかかる」という感じはありません。
道具がそろっているのなら、デキャンタージュして飲むことが推奨されています。

刈穂 山廃純米超辛口(日本酒)

秋田清酒株式会社が打ち出しているものであり、日本酒度(一概に決め打ちすることはできないが、一般的に、高ければ高いほど辛口であり、低ければ低いほど甘口であるとされる日本酒の味の批評)は+12と、「大辛口」とも評される1本です。ただし、コメのうま味が残っているため、辛口といっても甘さはあります。

キレ味はそれほどではないものの、後味がすっきりとまとまっています。また、舌にのせると辛みがあります。
上品で静かな味わいの日本酒です。もろみの味をしっかりと感じられる1本であり、日本酒好きの人向けの味と思われます。

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塔牌<陳五年>(紹興酒)

宝酒造が打ち出す、比較的知名度の高い紹興酒です。上品で、生クリームのようなクリーミーな味わいを持っています。また、濃厚なうまみがあります。
中国系のお酒が持つ、深いコクとうまみが特徴です。ただし度数は高く、後口でこの「度数の高さ」がクリアに響いてきます。

今回は氷を入れてロックにして飲んでいます。こうすることで飲みやすくなるため、紹興酒を飲みなれていない人でも楽しむことができるでしょう。

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キリン一番搾り(ビール)

日本の「KIRIN(キリン)」が打ち出す商品であり、多くの人に愛されています。キレが良く、味のバランスがとても良いのが魅力です。麦のうま味をよく感じます。

香りはそれほど強くなく、ホップの香りなども抑えめです。そのため、ビール初心者さんでも楽しめる味わいに仕上がっています。

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梅酒(自家製:ソーダ割)

黒糖や砂糖、グラニュー糖など、さまざまな糖分を入れて作ったものです。3年物です。
最初の1年は非常に荒ぶっており、まとまりとバランスを著しく欠いたもので、飲めるような代物ではありませんでした。

しかし3年めを迎えた今年は、よく調和がとれ、複雑な甘みと梅の豊かな風味を出すお酒へと変わりました。今回はこれをソーダで割って飲んでいます。なお、使っているソーダは無糖のものです。

今回の料理について

料理についても簡単に解説します。

①砂糖とケチャップ、黒酢、酢、水、しょうゆを混ぜたものに、水溶き片栗粉を入れてあんを作ります。
②豚塊肉とパプリカを切って衣をつけて油で揚げ、そこに①のあんを絡めていきます。
③しっかり絡まりきったら、「黒酢を使った豚塊肉の酢豚」の完成です、下に、薄切りにしたタマネギを敷いて盛り付けます。

料理×お酒!7つの評価

テイスティングは、公平を期すために複数人で行います。
点数は5点満点で、点数が高ければ高いほどよくマッチしているということです。

スパークリングワイン

2点に近い3点。どうしてもスパークリングの方が弱く感じ、酢豚の方の味が強く出てしまいます。濃いめの黒酢あんをスパークリングワインが流してくれるのは心地よいけれど、黒酢の強さの方が勝ちすぎてしまい、どうしても「勝ち負け」が存在ししてしまいます。

白ワイン

2点。白ワインの苦みがやたらと目立つようになり、はっきりとした不協和音を感じます。レモンとパプリカの風味がばらばらで、白ワインと赤ワインを一緒に口に含んだときのような不快感があります。

赤ワイン

3点。味の方向性や食材との相性は良いものの、黒酢とワインが合わないのが惜しい点です。黒酢あんかけの酸味が赤ワインの味をひたすら邪魔をしてしまうのが難点です。「ビネガーを使ったサラダはワインに合わせにくい」とよく言われますが、それを強く意識させられてしまいます。

日本酒辛口

5点よりの4点。基本的に日本酒がお米としての役割を果たすので、お米に合うものは合います。黒酢の持っている酸味と豚の持っているうま味を、日本酒の持っている甘味がよく受け止め、相乗効果を出します。日本酒の香りが控えめであるため、料理の味を邪魔せず、けんかしないのも魅力です。

ビール

5点。ビールが苦手な人でも5点評価を付けざるを得ません。ビールの持っているほろ苦さが、豚肉の甘味をよく引き立てています。どうしても黒酢あんはその特性上、甘味と酸味が口の中に残り続けますが、ビールの苦さが味を調和させ、嫌味を残さずにうま味を口の中でよくまとめてくれます。

紹興酒(ロック)

4点。両方とも中華の味なのでとても良いといえます。香りがとてもよくなります。紹興酒の香りが付け加えられることで、料理の香りが一段階上に引き上げられます。お酒を楽しむというよりも料理をよりおいしく食べさせてくれる組み合わせといえ、料理重視派の人におすすめです。

梅酒(ソーダ割)

1点よりの2点。甘いもの×甘いものの組み合わせになってしまい、味がバッティングしてしまいます。味がくどく感じられるようになってしまい、「次の一口は、もういらない」と思ってしまう組み合わせだといえます。ただし、壊滅的とまではいえないので一応2点となりました。

一番おすすめのお酒は?

1位をとったのは、「ビール」でした。これが満点評価です
ビールの持っているほろ苦さとあんの持っている甘味と酸味が上手に調和し、優れた花ランス感覚を持つ食卓へと変化させてくれます。

日本酒との相性も非常に高評価でした。ビールの方がやや上に来てしまうため4点評価となりましたが、ビールがなければ5点をつけても問題はないくらいでした。ビールよりもより「食事っぽい楽しみ方」ができるのが特徴です。「コメと黒酢が合う」という状態になるのですが、日本酒の穏やかな風味は料理をまったく邪魔しません。

紹興酒も高評価でした。中華料理×中国酒ということで、まとまりがよく、香りの高さを感じられる組み合わせとなります。紹興酒の香りが、黒酢と豚肉に追加されることで新たな味わいと豊潤な香りが生み出されます。この組み合わせは「お酒を楽しむこと」ももちろんできますが、「料理をよりおいしく味わいたい」と考える人に向いています。

「黒酢と豚肉の酢豚」×「お酒」の組み合わせは、ある意味では「面白みのない」結果になりました。飲む前の段階から「これとこれは合うだろうな」と予想されていた組み合わせ通りの相性で、ワイン群においても取り立てて驚きのある結果は現れませんでした。

言い換えれば、料理とお酒のマリアージュを模索し始めたばかりの人にとっても予想がつきやすく、組み立てやすい料理だといえるでしょう。

<点数早見表>

酒類 点数
スパークリングワイン 2点に近い3点
白ワイン 2
赤ワイン 3
日本酒 5点よりの4点
ビール 5
紹興酒 4
梅酒 1点よりの2点

 

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