北海道余市のワインがアツい!5人のドメーヌを紹介!

北海道余市のお酒と聞くと、まず先に「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

しかし、醸造や農作物栽培に恵まれた環境ということもあり、ワイン造りも産業として栄えています。

そこで今回は、余市でワイン造りをする5人のドメーヌを紹介します。

ウイスキーだけでなく、ワインの名産地として有名な余市の魅力をぜひ知ってみてくださいね。

北海道・余市について

北海道余市町は、積丹(しゃこたん)半島の南東に位置する街です。

小樽市から車で約30分、ニセコ町から車で約70分とアクセスの良いエリアとして知られています。最近は高速道路の開通により、札幌市から約60分と都市圏からのアクセスも簡単になりました。

余市町は、ニシン漁で発展してきた歴史があります。しかしニシンの数が減ったため、1954年の漁を最後にニシン漁は終わります。現在は、エビやイカなどの漁が盛んで、北海道でも有数の漁獲量を誇る産地となりました。

そして余市町といえば、ワイン醸造用のブドウの生産量で北海道内一を誇るワインの産地です。

北海道では、構造改革特別区域法により「北のフルーツ王国よいちワイン特区」に認定。ブドウだけでなく、リンゴやさくらんぼ、バナナなどが栽培されています。

余市町は、北海道でも比較的気温が高い地域です。昼夜の寒暖差が大きいことから、果物の栽培に適した条件が揃っています。

またスコッチウイスキーの産地、スコットランドに気候が似ており、ニッカウヰスキー余市蒸溜所も拠点を構えています。

創業者の竹鶴政孝氏は、スコットランドでスコッチウイスキーの技術を学びました。そのため、スコットランドに近い環境でウイスキー造りを始めたそうです。

このように、余市町は日本有数のお酒の産地として栄えています。

ここからは、そんな余市町を代表する5人のドメーヌを紹介します。

ドメーヌ・イチ(Domaine ICHI)

ドメーヌ・イチ(Domaine ICHI)は、2008年にベリーベリーファーム&ワイナリー仁木から名前を変更して設立したドメーヌです。

ベリーベリーファーム&ワイナリー仁木は、海道余市の二木町にあるオーガニックファームです。

ブドウをはじめとし、ブルーベリーやラズベリー、さくらんぼなどの果物を栽培してきました。

全ての農産物は、「有機JAS」と「特別栽培農産物」を取得。オーガニックワインやジュースなどの加工品が人気を集めています。

そして、ドメーヌ・イチでは、ピノノワールやピノグリ、ゲヴェルツトラミナー、ナイヤガラなどの醸造用ブドウを自社農園で栽培しています。

運営する上田さん夫妻は、2008年から醸造用のブドウを入手し、試験的にワイン造りを開始。最初は少量生産でしたが、徐々に量を増やしていき現在に至ります。

2018年からは、人の手を加えずより自然に近い「ヴァン・ナチュール」という農法に切り替え、ブドウの持つ力を活かしたワイン造りを行っています。

ドメーヌ・イチ(Domaine ICHI)の名前は、もともと品質の高いワインにだけ「ICHI」というつけて販売していたのが由来です。また上田さんの名前「一郎」、余市の「市」もかけているそうです。

より自然に近い形で生産されたワインは、繊細で力強く和食に合わせるのがおすすめです。

赤ワインや白ワイン、発泡ワイン(ペティアン)など、幅広いラインナップがありますので、自然派ワインを飲みたい方は、ぜひ試してみてください。

 

ドメーヌ・アツシ・スズキ(Domaine Atsushi Suzuki)

ドメーヌ・アツシ・スズキは、家族経営の小さなドメーヌです。

ブドウ畑は余市町登町に位置し、標高60m~80mの東斜面で栽培されています。土壌は砂や粘土が混ざり合った水はけの良い場所で、ブドウ栽培に適した場所です。

ドメーヌ・アツシ・スズキでは、農薬に頼らずに濃縮したブドウを栽培することを心がけています。

そのため、草生栽培や農地を耕さない不耕起を採用。現在は、病気に弱い品種にだけ年数回の農薬を撒いています。将来的には、すべてのブドウを化学農薬に頼らない栽培を目指しているそうです。

またブドウ畑には、化学農薬を一切使用していない区画があります。ドメーヌ・アツシ・スズキのワインは、すべてその区画から収穫したブドウで醸造されています。

ブドウ品種は、ツヴァイゲルト、ケルナー、ミュラートゥルガウ、ピノノワール、シャルドネ、ゲヴュルツトラミネールなどドイツ系のブドウ品種が多い傾向があります。

2017年からは、シャルドネに植え替えを行い、ドイツ系品種を減らしているそうです。

出来上がったワインは、ピュアで優しい味わいが楽しめます。赤ワインは、まろやかでコクのあるのが特徴。白ワインはミネラル感がありキリッとした飲み口が特徴です。

ブドウの持つ力をそのまま表現しており、いつも飲むワインとはちょっと違った味わいが楽しめますよ。

 

ドメーヌ・ユイ(DOMAINE YUI)

ドメーヌ・ユイ(DOMAINE YUI)は、杉山哲哉さん、彩さん夫妻が経営するドメーヌです。

余市町の可能性を求めて東京から移住。開墾から栽培、醸造まですべて2人で行ってきました。

2020年から自家醸造をスタートした新しいドメーヌですが、日本各所で高く評価されています。

ブドウは、ナイアガラやキャンベルアーリー、ポートランドなどの品種を無農薬で栽培。亜硫酸などの添加物を加えず、野生酵母で発酵させています。

繊細な口当たりと自然の個性を味わえるワインを、ぜひ味わってみてください。

 

ドメーヌ タカヒコ(Domaine Takahiko)

ドメーヌ タカヒコ(Domaine Takahiko)は、2010年に長野県の小布施ワイナリーの二男、曽我貴彦氏によって設立されたドメーヌです。

ちなみに小布施ワイナリーは、兄の曽我影彦が継承しています。

曽我氏は、東京農業大学で醸造学を専攻。その後は、大学に勤務しながら微生物研究をしていました。

しかしワインが忘れられず、栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリーに就職。農場長として10年間勤務します。

ワインを学んでいく中で、フランスのジュラのオベルノワのワインに感銘を受けます。そこから、ピノ・ノワールのワイン造りに情熱を注ぎ、北海道余市町でドメーヌ タカヒコを設立しました。

ドメーヌ タカヒコのブドウ畑は、標高60mに位置し風化した礫、砂、粘土が混ざった水はけの良い場所にあります。

農場では約9,000本のピノ・ノワールを有機栽培。13系統に分けられ、徹底した管理のもとで高品質なブドウを栽培しています。

醸造では、ブドウをそのままタンクに入れ、自然に発酵させます。自然に任せた発酵を行うことで、ブドウ本来の味わいを活かしています。

また赤ワインに関しては、亜硫酸を使用しておらず、余計なものは一切加えません。

その品質の高さから、世界から注目を集めるドメーヌとして注目されています。

イギリスの食品月刊紙を発行するWilliam Reed Business Media社が発表した「世界のベストレストラン50」にて4度の世界一に輝いているデンマークのレストラン「noma」。

そのワインリストに、ドメーヌ タカヒコ(Domaine Takahiko)の「ドメーヌタカヒコ ナナツモリ ピノ・ノワール2017」が入れらています。

日本のワインがリストに入ったのは初の快挙で、日本での栽培が難しいといわれたピノ・ノワールの良さを引き出したことが要因と考えられています。

日本を代表するドメーヌとして、これからも活躍が期待されています。



ドメーヌ・モン(domeinemont)

ドメーヌ・モン(domeinemont)は、余市町登町で醸造を行うドメーヌです。

ドメーヌ タカヒコの曽我貴彦氏のもとで2年間、栽培と醸造を学んだ山中敦生氏が2016年に設立。

domeinemontは、苗字の「山(Mont)」、山中家の「家紋(カモン)」、曽我貴彦氏の門「門(モン)」を出た、という部分から名付けられました。

標高50m前後に位置する畑で、ピノグリのみを栽培しています。日当たりの良い東向きの傾斜地で、水はけもよくブドウ栽培に適した土地です。

しかし、当初は15年以上耕作放棄されていた土地を開墾する作業から始まりました。チェーンソーで木々を切り倒し、荒れた土地を一から整地したそうです。

そしてブドウは、除草剤や化学肥料、化学農薬などを一切使用せず、野生の酵母で発酵。自園の畑はJAS有機農産物の認証を取得しています。

また亜硫酸やポンプの使用も最小限に抑え、ブドウ本来の味を追求。日本人の食文化に合うワインをメインに造っており、香りの複雑やさ味の繊細さ、旨味、口当たりの優しさを表現しています。

ドメーヌ・モンの看板商品であるDom Gris (ドングリ)は、有機栽培されたピノグリを100%使用。余市町登町の畑はドングリの森に覆われているこことから、Dom Gris (ドングリ)と名付けられました。

旨味を出すためにプレス前に軽く醸しているのが特徴で、外観はオレンジ色をしています。余市の自然を感じながら飲んでいただけるワインといえるでしょう。

 

まとめ

今回は、余市でワイン造りをする5人のドメーヌを紹介してきました。

余市にあるドメーヌの多くが、ブドウ本来の味わいを追求し、自然派なワインを造り続けています。

農薬や化学肥料を使わないドメーヌばかりなので、安心して飲めるワインばかりです。日本ワインの中でも、ここまで自然派にこだわった地域はないのではないでしょうか。

ぜひ本記事を参考に、余市のワインを楽しんでみてくださいね。