ウイスキーファンから高い評価受けるシングルモルト「余市」の魅力

有名なジャパニーズウイスキーメーカーとしてニッカウヰスキーが挙げられます。

「ブラックニッカ」や「竹鶴」「宮城峡」などが主要銘柄となっていますが、「余市」もまた忘れてはいけないシングルモルトウイスキーです。いまや多くのファンを虜にする「余市」ですが、どういった点が人々を魅了しているのでしょうか?

今回は余市について深掘り!蒸留所の歴史と人気の理由についてもまとめていきたいと思います!

余市とは


ブランド「余市」はニッカウヰスキーで製造されている銘柄の一つで、販売はアサヒビールが行なっています。朝の連続テレビドラマでニッカウヰスキーが取り上げられたことでジャパニーズウイスキー全体の需要が上がり、「余市」も例にもれずに注目の的となりました。

「余市」には、同じく日本を代表するメーカーであるサントリーが造るウイスキー銘柄とはかなり異なる特徴があり、スコッチウイスキーを思わせるスモーキーさを含んでいます。この特徴は、サントリー派かニッカ派かが分かれる最大のポイントとなっています。そのため余市シリーズは、ジャパニーズウイスキーの中でも個性派ウイスキーとしての地位を不動のものにしています。

余市の製造元


余市が造られているのは北海道の西部にある余市蒸留所。蒸留所が立地している北海道余市町は、日本のスコットランドと言われるほどウイスキー造りに適した環境を持っています。

蒸留所の創業者は「ジャパニーズウイスキーの父」として称えられている竹鶴政孝です
政孝氏は、ウイスキーの本場・スコットランドでウイスキーの蒸留技術を学んだ後、日本国内に蒸留所を設立しました。本場さながらのウイスキーを日本でも造りたいという強い思いがあった政孝氏は、北海道余市町に注目します。

余市町は冷涼湿潤な気候で、澄んだ空気と豊かな水源を持ち合わせています。またウイスキーの原料となる大麦や、ウイスキーにスモーキーさを与えるのに必要なピート(泥炭)も豊富にあることから、政孝氏は余市町であればスコッチウイスキーさながらのジャパニーズウイスキーを生み出すことができると判断したわけです。

余市蒸留所で産声を上げたウイスキーは「余市」と名付けられ、ピート由来のスモーキーさとスコッチに負けず劣らない味わいから、スコッチファンをも魅了するジャパニーズウイスキーとなりました。

余市のこだわり


ブランド「余市」には、他のジャパニーズウイスキーメーカーでは見られないこだわりを持っています。そのこだわりこそが根強い人気を誇る理由となっているのですが、どういった点が他社と異なるのでしょうか?

独特のフレーバー

「余市」が他の銘柄と異なる点としてまず最初に挙げられるのが、フレーバーです。

潮の香り

ウイスキーの本場・スコットランドにある蒸留所の立地条件を参考にして設立された余市蒸留所は、石狩湾からほど近い場所に位置しています。

「余市」のモルトから潮の香りを感じる方もいるそうで、熟成に使われる樽が海から吹いてくる潮風のフレーバーを吸収し、長い期間熟成させることで原酒に入り込んでいるのではないかと考えられています。

実際、磯のような香りがするスコッチウイスキーもいくつか存在しますが、蒸留所の立地との因果関係はまだはっきりとしていません。

スモーキーな香り

また「余市」の原料となる大麦麦芽の乾燥には「ピート(泥炭)」が使われています。ピートは、ウイスキーにスモーキーなフレーバーを与えるの重要な役割を担っています。

ピートを焚き、煙で燻した麦芽を「ピーテッドモルト」と呼び、真っ黒になるまで燻された麦芽は「ヘビリーピーテッド」と言われます。

ピーテッドモルトが使われたジャパニーズウイスキーは他にも存在するのですが、ほのかに香る程度で刺激的でないものがほとんどです。反対に「余市」の場合ヘビリーピーテッドも用いられるため、パンチ強めなフレーバーとなります。この個性が「余市」らしさのベースとなっているのです。

石炭直火蒸留

余市蒸留所では、昔から石炭による直火焚きでの蒸留が行われています。石炭直火蒸留は竹鶴政孝が修行先の蒸留所の製法に倣い導入した蒸留方法で、適切な火力を持続させるために、的確に石炭をくべる熟練の技が必要になります。

現在はガスや油を用いた効率的な蒸留方法が主流となってきたため、石炭直火蒸留は本場スコットランドでもなかなか見られない手法となっています。世界的に見ても珍しい蒸留方法と言えます。

あまりに非効率に見える方法ですが、「余市」の重厚感を表現するには欠かせない蒸留方法です。「余市」の味と伝統製法を守っていくためにも、石炭直火蒸留は今後も受け継がれるべきプロセスだと言えます。

余市のラインナップ

ラインナップと言っても2020年現在で造られている「余市」は一種類のみ。過去には10年、12年、15年、20年ものの「余市」が製造されていましたが、原酒不足のため姿を消してしまいました。

シングルモルト余市


引用:amazon.co.jp/

余市シリーズの中で、最もスタンダードである現行ボトル。オーク樽由来の甘さと麦芽の香ばしさが感じられ、シトラスを思わせる果実の味わいも持ち合わせています。
ときおり感じる荒々しさはノンエイジならではの特徴です。ストレートやオンザロックもいいですが、ビギナーさんはハイボールから試してみてはいかがでしょうか?

 

まとめ

今回は「余市」についてまとめました。日本でも個性派のウイスキーが造られていたとは意外でした。

万人受けする味がもてはやされる日本で、こだわりの個性派ウイスキーが受け入れられたのは、竹鶴政孝がウイスキー造りに並々ならぬ情熱を注いだからに違いありません。

みなさんも一度お試しの上、「余市」のスモーキーさや潮の香りを感じてみては?

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