酔うために日本酒!? 国際唎(きき)酒師に海外での「SAKE/サケ」について聞いてみた!

日本の文化を世界に発信する取り組みをよく目にします。SUSHI、SAMURAI、KAWAIIなど日本文化が英語になっているものがたくさんありますよね。

そんななかで、今回は「SAKE」いわゆる「日本酒」文化を世界に向けて発信する「国際唎酒師」について着目。

その取り組みや国際唎酒師目線のおすすめなどを、国際唎酒師の野原さんにお話お伺いしましたので紹介していきます。

唎酒師に興味のある方や、海外の友人に日本酒を飲ませてあげたいが何を贈って良いか分からないという方は参考になるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

日本酒を海外へ発信するプロ!?国際唎酒師とは?

国際唎(きき)酒師を説明するには、まず唎酒師とは何かを抑える必要があります。

唎酒師は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会(SSI)が認定し、NPO法人FBOが公認する、日本酒の提供・販売者資格です。
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有資格者は、アルコール飲料に関する基礎、日本酒の原料や製法から歴史といった知識、日本酒のテイスティングやセールスプロモーション、飲食・小売りサービスなどを網羅的に、身に付けていることが求められています。

よく日本酒ソムリエとも表現されますが、より提供・販売に特化しているのが特徴的です。

さて本題の”国際”唎酒師ですが、シンプルに説明すると「唎酒師の外国語版」といえます。

日本酒の提供及び販売についての戦略・戦術の企画立案から実施などを外国語で行い、主に海外の方や訪日外国人に向けて発信することを中心に行うのです。

ちなみに該当する外国語は、英語や中国語、韓国語、フランス語、スペイン語と多岐にわたります。

国際唎酒師だから分かる世界と日本酒

国際唎酒師を取得し、日々海外に向けて日本酒文化を発信されている野原さんに国際唎酒師についてや国際唎酒師だから見える日本酒の良さについてお話を伺いました。ここからは、そのインタビューをお届けします。

野原友紀  SSI公認国際ソムリエ(唎酒師)。800回以上のテイスティング経験を持ち、Instagramでは飲んだ日本酒についての投稿を英語で発信する。
Instagram:https://www.instagram.com/sake_sommelier_/

なぜ「国際」唎酒師になったのか?

SAKE Mania:まずは実際に国際唎酒師を取得してみて改めて「国際唎酒師」とはどのような存在に思うかお聞かせください。

野原さん:国際唎酒師は、資格を取るよりも取ったあとの方が大変です!国際唎酒師は、世界中に日本酒を発信できる存在ですが、その資格をどのように生かして活動していくかが重要です。私自身も日々試行錯誤しています。

現在私は国際唎酒師として、会員制の創作和食店と料亭で日本酒ソムリエとして働きながら、海外向けのサービス立ち上げ等も企画し、SNSで海外に向けて日本酒の魅力を発信したりしています。

SAKE Mania:元々日本酒がお好きで「国際唎酒師」を取得されたのですか?

野原さん:そうですね。元々、日本酒がとにかく好きで、自宅の冷蔵庫にも入り切らないくらい常備しています。

また、英語も好きで、いつか海外の方と仕事がしたいとも考えており、大学卒業後も趣味の範囲で勉強を続けていました。

そんな時に、国際唎酒師の資格を知り、美味しい日本酒を海外の人にもっと知ってもらいたい!と思い取得を目指しました。

SAKE Mania:資格の取得について、通常の唎酒師とは違って外国語ですが、苦労はありませんでしたか?

野原さん:私は日本語で実施される唎酒師を受験せずに、最初から英語で国際唎酒師の勉強に取り掛かりました。英語で何かを学ぶのは初めてだったので、慣れるまでは大変でしたね。

国際唎酒師だから分かる世界と日本酒

SAKE Mania:実際に取得し、様々なお取組みをされているかと思います。やりがいを感じるときや、取得して良かったと思う時はどんな時ですか?

野原さん:やはり訪日外国人のお客様に喜んでいただいた時は特にやりがいを感じます。日本酒文化を海外に発信したくて国際唎酒師になったという経緯があるためです。

また、自身のInstagramでは英語で日本酒について発信しているのですが、よく外国人の方から日本酒について問い合わせのDMをいただきます。

その際に英語で説明して理解していただけると、国際唎酒師を取得して良かったな、と思います。

SAKE Mania:海外でも日本酒に対する興味・関心は高いのですね。

野原さん:そうですね。興味関心の高い日本酒は海外にも増えてきています。しかし、まだまだこれからだと個人的には思っています。

実は、アメリカで日本酒を飲んだことがある現地の方々に感想を尋ねると、多くの場合「美味しさがよく分からなかった」や「結構きついお酒だよね」と返ってくることがありました。

一度でも飲んだことがあるという方が多かったのは嬉しかったですが、より美味しく飲んでいただけるような働きかけが求められていると思います。

SAKE Mania:確かに他の日本文化も、海外で独自の変化を遂げることがありますよね。正しく情報が伝わっていなかったり、その国の文化と混ざったりと派生は様々です。

ちなみにそのなかでも特に、海外の方から注目されている日本酒の楽しみかたなどはありますか?

野原さん:欧米ではワインがよく飲まれていますが、ワインと日本酒の楽しみ方の最も大きな違いが、日本酒は幅広い温度で飲めるという点だと思います。

海外の方から、「Hot SAKE(ホットサケ)」について聞かれることが多いので、この点は注目されているようです。

SAKE Mania:日本での注目度はそれほど高くないので意外ですね。ほかにも国際唎酒師として、もっと広がってほしい日本酒の魅力や文化はありますか?

野原さん:たくさんありますが、まずは日本酒の飲み方の幅をもっと広げて欲しいです。

先ほど少しお話しましたが、日本酒は「アルコール度数が高いお酒」という認識が少なからずあります。

そのため「あまり飲まない」という方や、逆に酔うために一気飲みしたりしているという話も聞くことがあります。

そこで飲み方として「オンザロック」、「水割り」そして「ソーダ割り」を試してみてほしいです。

実は、日本酒は製造工程の中で加水して味とアルコール度数を調整しているので、氷や水を加えても不自然ではありません。

いろんな飲み方を楽しんでほしいですし、自身でも発信していきたいです。

SAKE Mania:「国際唎酒師」として今後はどのようなことに挑戦していきたいですか?

野原さん:海外で国際唎酒師として活躍されていた大学の先輩とお話する機会があったのですが、「こんな道があるよ」と色々教えていただき、現在海外向けのサービス等の構想を練っています。

今後、様々な方法で英語圏に向けて日本酒文化を発信していきたいです。

SAKE Mania:よりたくさんの外国の方に日本酒文化を楽しんでいただけると嬉しいですね。

外国の方に飲んで欲しい日本酒おすすめ3選

最後に、国際唎酒師である野原さんに海外の方におすすめしたい日本酒と食についてお伺いしましたので、紹介していきます。

おすすめ①フルーティーさが魅力!「桂月 CEL24 純米大吟醸 50®」

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まず、おすすめいただいたのが「桂月 CEL24 純米大吟醸 50®」です。

桂月は、高知県にある土佐酒造がつくる日本酒ブランド。そのなかでも、「 CEL24 純米大吟醸 50®」は、非常に香り高く醗酵する清酒酵母「CEL-24酵母」を使用しており、完熟したリンゴや黄桃、パインを思わせるフルーティーな香りが特徴となっています。

また、ただ甘いだけではなくシルキーな飲み口とほどよい酸味が爽やかです。

おすすめの合わせたい料理は、鮮魚のカルパッチョやカプレーゼ、穴子の白焼きなどとのこと。シンプルな味付けの前菜との相性が良いので、食前酒的に楽しむこともできるでしょう。

日本酒を飲みなれていない人や、初めて日本酒を飲む人におすすめです。

おすすめ②キレのあるスパークリング「水芭蕉 純米吟醸辛口スパークリング」

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2本目におすすめいただいたのは「水芭蕉 純米吟醸 辛口 スパークリング」です。

水芭蕉は、群馬県にある永井酒造がつくる日本酒ブランド。その中でも「純米吟醸辛口スパークリング」は、同じく永井酒造が販売している「MIZUBASHO PURE」という世界初の日本酒シャンパンの元となった日本酒です。

水芭蕉 純米吟醸辛口スパークリングは、日本酒のスパークリングにありがちな「甘み」表現が抑えられており、ドライでキレのあるテイストとなっています。

辛口で爽快な飲み口なため、食事とも合わせやすく食前酒としても楽しめるでしょう。

おすすめの合わせる料理は、出汁巻き卵や焼肉、ピザなどと幅広い料理と合わせやすいです。まさしくスパークリングワインやシャンパンを彷彿とさせますね。

万能なテイストなので、どんな日本酒がおすすめかなと迷ったときにおすすめです。

おすすめ③随一の完成度「彩來(Sara)純米吟醸 生詰」

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最後におすすめいただいたのが、「彩來(Sara)純米吟醸 生詰」です。

彩來は、埼玉県の北西酒造がつくる日本酒ブランド。冷やすとより美味しい日本酒をコンセプトに造られた日本酒ブランドで、構想から5年の歳月を掛けてリリースされました。

純米吟醸の生詰は、マスカットのような瑞々しい香りとお米の甘みから、抜けるような酸味までバランスが良く、数ある日本酒の中でも随一の完成度を誇っています。

今回おすすめにあるような生詰や無濾過、特別純米などの限定品は少し取扱いのある酒屋が少ないことが難点ですが、いずれも完成度が高くおすすめできるものばかりです。

おすすめの合わせたい料理は、生春巻きや地鶏のたたき、天ぷらなど。バランスが良いので、もちろんいわゆる和食との相性は抜群ですが、ヨーグルトのような乳酸菌感があるので、少しオリエンタルな雰囲気のある料理とも相性が良いでしょう。

野原さんの地元埼玉で注目が集まっている日本酒とのことです。

まとめ

今回は、国際唎酒師の野原さんに、国際唎酒師についてや、海外での日本酒の人気や認知についてお伺いしました。

国際唎酒師だから見えること、知り得ることができました。特に日本酒が海外では酔うために飲む人がいるというのは驚きですね。なかなか知る機会のない情報で非常におもしろかったです。

野原さん、ありがとうございます!

ちなみに野原さんのInstagramでは、47都道府県全ての日本酒を英語で紹介されています。

Instagram:https://www.instagram.com/sake_sommelier_/

2017年に全国制覇(全都道府県の地酒を飲んだ)し、それをコンセプトにされているそうです。今のところは日本酒の記録が中心になっているそうですが、今後は日本酒の基礎知識や食事との組み合わせなどにも触れていきたいと仰っていました。

日本酒好きの方や海外のご友人に日本酒をおすすめするときなど、ぜひチェックしてみてください。

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