山田錦が「酒米の王様」と言われる理由とは?

日本酒の原料として使われる酒米ですが、中でも絶対的地位を確立している「山田錦」をご存知でしょうか?日本酒好きであれば知らない方はいないはず!

しかし、日本酒スターターの方にとってはどのような特徴があるのかわからない方も多いと思います。他の酒米との違いはいったいどこにあるのでしょうか?

今回は酒米のキングに君臨している「山田錦」にフォーカスし、品種の特徴やお酒に与えるテイストについてお伝えしていきます。

酒米「山田錦」とは?

「山田錦」とは兵庫県立農事試験場で誕生した品種です。「山田穂(やまだぼ)」を母、「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を父に持ち、1923年に産声をあげました。「山田錦」と命名されたのは1936年のこと。誕生から13年後にやっと名付けられました。

現在国内で生産される酒米の約4割のシェアを誇っています。その中で兵庫県産のものが約8割を占めています。

全国新酒鑑評会をはじめとする日本酒大会で受賞している多くの日本酒は、この「山田錦」で醸されたものになります。近年は交配や改良によってさまざまな酒米品種が生みだされるようになりましたが、長い間「王の座」を譲ることが無い「山田錦」は今もなおそのお品質の高さが評価されています。

山田錦の特徴

「山田錦」は晩生(おくて)タイプの品種。米粒が大きく生育までに時間がかかってしまうため、遅めの時期に収穫されます。また成長すると背丈が高くなるため倒れやすく、病気にも弱いので、腕利きの農家さんでも栽培が難しいと言われています。

栽培に難点があっても酒米における国内シェアNo1を保っていられるのは、「山田錦」に優れた点が存在しているからです。

ずば抜けた酒造適性

「山田錦」がキングで在り続ける理由のひとつに、酒造適性が挙げられます。

酒米に向いている条件として

・米粒が大きいこと
・心白が大きいこと
・タンパク質が少ないこと
・吸水性が良いこと
・糖化性が良いこと
・もろみに溶けやすいこと

が主に挙げられます。

「山田錦」は、米粒、心白ともに大きく、雑味のもととなるタンパク質の含有量が少ない特徴があります。また吸水性が良く良質な麹を造ることができます。

吟醸造り向き

酒造適性を網羅した「山田錦」ですが、実は高精米にも耐えられます。お米の外側から40%も削って造る(精米歩合60%以上の)吟醸酒や、お米の半分が削られる(精米歩合50%以上の)大吟醸酒も造ることができるわけです。

近年は精米技術が向上してきたこともあり、精米歩合が30%以下の原料米で醸される日本酒も出てきました!中には精米歩合1%という驚異的な数字のものも存在します!!

技術を有する多くの酒造がしのぎを削る「高精米戦争」では、どんなに高い精米でも耐えられる「山田錦」が必ずといっていいほど使われているのです。

高品質な日本酒

「山田錦」で造られた日本酒は、高い香りと繊細でキレイな酒質を持つ傾向にあります。どれだけ辛口に仕上げても、本来「山田錦」が持つ旨みや甘みをお酒に残すことができるのです。

吟醸以上のスペックが醸されることが多いので、どのお酒も高価になる傾向があります。しかし、「山田錦」に限った事ではありませんが、高価であればあるほど美味しいとは一概に言えないのも事実…。リーズナブルに手に入る「山田錦」の日本酒も販売されていますので、日本酒ビギナーさんはそちらから試してみては?

まとめ

今回は酒米「山田錦」をご紹介しました。

カリスマ性を持った酒米の王様は、農家さん、製造メーカー、飲み手にも人気のある品種となっています!「山田錦」について知った後は、実際に飲んでキングの味わいを試してみてはいかがでしょうか?

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