
おでんに合うお酒を実際にペアリング|日本酒や焼酎、ワインなどおすすめ銘柄を紹介
寒い季節になるとおでんが恋しくなりますよね。熱々のおでんとお酒があれば心も体も温まります。
最近はコンビニやスーパーのおでんのレベルも上がり、自宅で本格的なおでんを楽しめるようになりました。
そこで今回は、市販のおでんとお酒をペアリングしていきたいと思います。おでんとお酒の組み合わせを楽しみたい人はぜひ参考にしてみてください。
目次
おでんの特徴や歴史
おでんはカツオや昆布でとった出汁に、大根や練り物、卵、牛すじを入れて煮込んだ料理です。
地域や家庭によって味付けや具材が異なり、味噌おでんや塩おでんなども存在します。
おでんの歴史は室町時代の「田楽」が始まりだと言われています。
田楽とは豆腐を串に刺して焼いて味噌をつけて食べる料理です。江戸時代になると味噌田楽が大流行し、豆腐だけでなくこんにゃくや魚、ナスなども田楽として食べられるようになります。
その頃には、豆腐田楽に「御」をつけて「御田(おでん)」という略称で呼ばれるように。当時はおでんと熱燗を飲むのが一般的で、今でもこの名残が残っています。
江戸寺時代後期になると、醤油造りが盛んになりおでんを出汁と醤油で煮込むスタイルが定着してきました。そこから大正、昭和と屋台や駄菓子屋の店頭で親しまれます。
家庭でおでんが食べられるようになったのは戦後からです。
復興するにつれて、野菜や練り物が市場に多く出回るようになります。その頃からおでんのだしの素が売り出され、家庭でも鍋料理の定番として食べられるようになったのです。
現在は地方でさまざまな味付けのおでんが食べられ、日本のソウルフードとして愛される存在となっています。
おでんと相性の良いお酒を選ぶコツ
おでんと相性の良いお酒を選ぶコツを紹介します。
【ペアリングのコツ(1)】おでんの出汁で選ぶ
おでんは出汁で味の良し悪しが決まるため、出汁に合うお酒を選ぶのが鉄則です。
おでんの出汁には醤油やみりん、酒、塩が入っています。そのため日本酒や焼酎とよく合います。
また味噌味なら、さっぱりと洗い流してくれるビールやハイボールもおすすめです。
【ペアリングのコツ(2)】おでんの具材で選ぶ
好きなおでんの具材に合わせてお酒を選ぶのもありです。
牛すじ | 濃いめの赤ワイン |
練り物 | ミネラル感のある白ワイン |
大根 | 米の旨味が強い日本酒 |
などよく食べる具材に注目してお酒を選んでみましょう。
特に練り物は魚介の旨味が凝縮しているため、ミネラル感のある白ワインと相性抜群です。
最近はトマトやソーセージなど変わり種の具材もありますので、好みに合わせて選んでみてください。
【ペアリングのコツ(3)】薬味で選ぶ
地域によっておでんの薬味が異なるため、薬味に合わせたお酒選びも大切です。
からし | 辛口のビールや米の旨味が強い日本酒 |
柚子胡椒 | 辛口の日本酒やキレのある焼酎 |
味噌 | 辛口のビールやハイボール |
削り粉 | 濃いめの日本酒や芳醇な白ワイン |
薬味でおでんの味がガラッと変わります。好きな薬味に合わせてお酒選びをしてみましょう。
それでは次の章からは、おでんとお酒をペアリングしていきたいと思います。
米の旨味がある純米酒
おでんには野菜や肉、魚の旨味がギュッと凝縮しています。
合わせるなら、同じように米の旨味がしっかりとした純米酒を選ぶといいでしょう。
日本酒の甘みと酸味がおでんのコクを深め、より美味しく食べることができます。
おすすめしたいお酒「黒帯 悠々 特別純米」
黒帯 悠々 特別純米は、辛口で芳醇な旨味を持つ日本酒です。老舗料亭をはじめ、数々の和食料理人から支持を得ています。
「肴を生かす酒であるということ」をコンセプトに、肴の旨さを引き出しながら、自らの旨さをも深めていく名脇役のような存在です。
吟醸仕込みと純米仕込みでキレがよく、どんな料理にも合わせやすい飲み口となっています。
実際に合わせてみると、おでんの旨味を邪魔せず、スッと入ってきました。辛口ですが、まろやかさもあり、おでんの出汁とよく調和しています。
刺身や寿司との相性も良さそうなので、和食全般に合わせやすい日本酒だと感じました。
ミネラル感のある白ワイン
おでんにはさつま揚げや竹輪、はんぺんなど魚のすり身で作られた具材が入っています。
魚料理は白ワインとよく合うため、海のミネラル感を感じられる白ワインと相性抜群です。白ワインのミネラル感と魚介類の旨味が相乗効果で引き立ちます。
おすすめしたいお酒「ジェイコブス・クリーク オーガニック シャルドネ」
ジェイコブス・クリーク オーガニック シャルドネはオーストラリアのオーガニックワインです。
有機栽培されたシャルドネを使用し、レモンやグレープフルーツのようなフレッシュさ、石灰石のようなミネラル感があります。
魚介系の料理と合わせやすく、魚介の旨味がたっぷりと染み出したおでんとの相性は抜群です。
実際に合わせてみるとシャルドネのミネラル感とおでんの塩味が絶妙に調和しています。
かすかに柑橘系のニュアンスもあるため、柚子胡椒の薬味とも合いそうです。
味付けが濃いおでんとよく合うIPA
味付けが濃いおでんにはIPAがおすすめです。
IPAとはインディアペールエールの略称で、麦芽の濃度を高くし香りと苦味がダイレクトに感じられるビールです。
ホップの香りと強い苦味があるため、濃い味付けのおでんとよく合います。
IPAの苦味とおでんの旨味が調和し、バランスの取れた味わいを楽しめるでしょう。
おすすめしたいお酒「グランドキリンIPA」
グランドキリンIPAは、数種類のホップを使用したエールタイプのIPAです。
熟した甘い香りと柑橘系の爽やかさもあり、華やかな飲み口を楽しめます。IPAのしっかりとした苦味も感じられ、濃いめの醤油や味噌味のおでんと合わせやすいでしょう。
実際に合わせてみると、IPAの苦味とおでんの旨味が調和し、バランスの取れた味わいになりました。
グランドキリンIPAは苦すぎないので、おでんの旨味を邪魔することはありません。かすかに柑橘系のニュアンスがあり、後味はさっぱりとしています。
雑味の少ない麦焼酎
雑味の少ない麦焼酎は、おでんと定番の組み合わせです。の旨味や香りを邪魔せず、コクを引き出してくれます。
スッキリとした飲み口なので、おでんだけでなくどんな和食にも合わせやすいでしょう。
おすすめしたいお酒「いいちこ」
いいちこは本格焼酎のベストセラーとして愛される麦焼酎です。
厳選した大麦と大麦麹、天然水だけで作られているため、雑味が少なくスッキリとした味わいが楽しめます。
ロックだけでなく、おでんに合わせてお湯わりにしても美味しいです。
実際に合わせてみると、おでんの旨味や香りを邪魔せず、スッキリとした飲み口を楽しめます。
クセがなく飲みやすいため、おでんの出汁のまろやかさと上手に調和していました。
〆はおでんの出汁割りがおすすめ
おでんを楽しむなら出し割りを忘れてはいけません。
出し割りとは、日本酒や焼酎におでんの出汁を入れて味わうお酒です。
今回はコップに焼酎1/3、おでんの出汁2/3を入れて作ってみました。お好みで七味を入れるのもおすすめです。
飲んでみると、おでんの旨味が鼻にスッと抜けて、凝縮したおでんの味わいを楽しめます。飲んだことがない人も多いかと思いますが、新感覚のお吸い物のような感じです。
焼酎や日本酒と合わせる際は、出汁割りも試してみてください。
まとめ
今回はおでんに合うお酒をペアリングしてきました。
日本酒や焼酎だけでなく、白ワインとも合わせやすいことがわかりました。
それでは寒い季節をおでんとお酒のペアリングで乗り越えてみてくださいね。