転売や偽装!日本酒にまつわる事件まとめ

日々、事件や事故のニュースが報道されていますが、過去に日本酒にまつわる事件があったのをご存知でしょうか?

これまで転売や偽装など、日本酒業界を震撼させる出来事がいくつもありました。

そこで今回は日本酒が関係している事件や事故を紹介します。

火の国酒造の偽装米事件

この事件は全国的にも有名な日本酒ブランド「美少年」を製造していた、火の国酒造(美少年酒造)が起こしたものです。

ことの発端は2008年、米販売会社「三笠フーズ」のグループ企業の卸売会社「辰之巳」が事故米を不正に転売していたことが明らかになり、その米を使用していた火の国酒造が被害を受けたことが始まりです。

その結果、約3万本の日本酒を自主回収をし、火の国酒造は甚大な被害を受けました。

この事件を受け農林水産省の石破茂農相は「辰之巳の不正を見抜けなかったのは農林水産省の責任」とし火の国酒造に謝罪。

しかしこの事件には裏があり、2009年に辰之巳から「1987年から2007年まで約20年間、火の国酒造から裏金を受け取っていた」という暴露があります。これは三笠フーズ社長と火の国酒造の社長の間でやりとりをしていたそうです。

その結果、法的措置により事業の譲渡、酒類製造免許を返納し、火の国酒造は自己破産しました。

富久娘酒造の原料偽装事件

この事件は日本三大酒どころのひとつ、灘の酒造会社「富久娘酒造」が起こした事件です。

2013年大阪国税局から、富久娘酒造が純米酒に醸造アルコールを添加したり、品質の悪い米で日本酒を製造したりしていると指摘をし事件が発覚。規格外の米から製造した日本酒を「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」などと虚偽の表記をして出荷していたため、悪質な偽装事件として話題になりました。

小島社長は「作業の効率化で間違えて混入した」と話していますが、5年前から偽装を行っていた証拠もあり、さらに炎上してしまいます。

この事件をきっかけに、日本酒業界に不信感を持つ人が増え、日本酒の消費量が減ったそう。ひとつの事件で業界全体が傾いてしまうのは悲しいことですよね。

浪花酒造の表示偽装事件

この事件は大阪府の老舗酒造会社「浪花酒造」が起こした事件です。

浪花酒造は大阪府の蔵元の中で最古の歴史があり、酒蔵は登録有形文化財にもなっている老舗の酒造会社です。

しかし2013年に大阪国税局の調査で表記偽装が発覚してしまいます。

純米酒に醸造アルコールを混ぜたり(純米酒の原料は米と米麹だけと定められている)、吟醸酒に純米大吟醸のラベルを貼ったりと、表記を偽装して販売していたことが判明。

その他にも、品切れになった商品を補填するために、さまざまな日本酒を混ぜて偽物を製造した事実も出てきます。とにかくめちゃくちゃな管理体制で、世間も呆れるほどでした。

この事件について浪花酒造の社長は「味がほとんど変わらないので、その場しのぎでやってしまった」とコメントを残しています。

また浪花酒造の日本酒「浪花正宗 純米大吟醸 究極の技」が2008年の洞爺湖サミットで提供されたと公式ホームページに記載されていますが、外務省は「提供された事実はない」としており、さらに火に油を注ぐことに。

素人には味が分からないのを逆手にとった行動は、会社だけでなく日本酒業界への不信感を高めることになりました。

獺祭26万本の自主回収騒動

この事件は、日本酒を知らない人でも聞いたことがある銘柄「獺祭」を製造する「旭酒造」が起こした事件です。

2019年9月9日、旭酒造が従来の製品とは異なるアルコール度数のものを出荷したとして、約26万本を自主回収すると発表しました。

対象の銘柄は「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」「獺祭 純米大吟醸45」「獺祭 等外」「獺祭 等外23」の4つで、17度や12度など度数が異なるものを出荷したとのこと。加水後にかき混ぜる工程を怠ってしまい、商品ごとにムラができてしまったことが原因と発表しています。

しかし世間からは「正直に言って好感度が上がった」「アウトレットで販売してほしい」「もったいないから買いたい」という声が相継ぎました。

「獺祭」は世界でも認められたブランドであり、再利用は難しく、結果的に廃棄されることになったそうです。

偽装をしていた訳ではないため、旭酒造の評判は変わらず、むしろ評判が上がりました。

どぶろく裁判

この事件は無許可で酒造をしていた、前田俊彦氏が酒税法違反に問われた事件です。

前田氏は自宅で飲むために清酒などを自家醸造。しかし酒造免許は持っておらず、酒税法違反にあたる可能性が高いことから起訴されたのです。

その結果、第一審で被告人に罰金30万円に処すことに。前田氏は控訴を棄却し上告をしますが、最高裁判所は上告を棄却し、裁判は終わりました。

文安の麹騒動

この事件は室町時代に麹作りをしていた北野麹座が室町幕府に鎮圧された事件です。

簡単に説明をすると、日本酒を造る酒屋と麹を作る麹屋が争った出来事。当時、酒屋が繁盛するようになり麹も自家製造しようと目論んでいたところ、麹屋の反発を買うことに。

麹屋や事業を存続するために、酒屋と争いをする日々が続きます。そして争いは激化し、最後は神社に麹屋が立てこもり武力鎮圧する事態となりました。

結果的に麹作りは酒屋の工程として認められ、現在でも日本酒造りの基本となっています。

酒屋会議

この事件は明治時代に造酒税の引き上げに反発した酒造業者が起こした運動です。

南北戦争で財政難だった政府は、日本酒の増税をたびたび行っていました。しかし全国の酒造業者から反発があり、高知県の酒造業者が政府に減税の請願書を提出したことをきっかけに、酒税減税要求の会合が開かれました。

結果的に政府には受け入れてもらえず運動は終わってしまいましたが、酒造業者が全国から集まって抗議をした出来事は珍しい事件として受け継がれています。

まとめ

今回は日本酒にまつわる事件や事故を紹介してきました。

やはりラベルや原材料の偽装は許せませんよね。会社だけでなく日本酒業界が衰退する原因にもなりかねないので、同じ過ちは繰り返してはいけません。

また獺祭を製造する「旭酒造」のように、間違いをすぐに公表する会社には好感を持てますね。問題になる前に行動することで会社の存続ができた良い例です。
これからも日本酒業界が発展していくために、事件や事故が起こらないことを願うばかりです。

関連記事一覧