新ジャンル「新緯度帯」のタイワインはどんな味わい?歴史や産地、おすすめ銘柄も紹介

ワインの産地と言えば、旧世界ワインのヨーロッパをはじめ、新世界ワインのアメリカやチリ、オーストラリアが代表的です。

しかし近年、温暖化の影響や醸造技術の発達により、東南アジアのタイでもワインが作られるようになりました。しかも、いまクオリティの高いワインが続々と登場しており、世界でも高い評価をうけているのです。

しかし、どんな味なのか想像つきませんよね。

そこで今回の記事ではタイワインについて注目し、タイワインの歴史や、味わいの特徴に加え、タイワインの主な産地とおすすめなタイワインの銘柄もご紹介します。

新たにワインジャンルを開拓したい方や、エスニック料理と合うワインを探している方はぜひ参考にしてみてください。

タイワインの魅力


タイは、ワイン造りに最適とされる北緯30~50度のワインベルト地帯とは大きく外れた北緯5~21度の緯度帯に位置しています。一年を通して平均気温が29°前後と高く、また湿度も70%な熱帯気候が特徴です。

ワイン造りには適さない気候なのでは?と思われますが、タイワインの製造を行うワイナリーの多くは、避暑地としても人気な高原地帯に位置しています。またタイは5~10月の雨季以外はほとんど雨が降らないため、十分な日照時間を確保できる特徴があります。

このように風通しの良い立地、豊富な日照時間からは濃縮した果実味のブドウを収穫できます。味わいはすっきりと飲みやすく、また、上質なワインはお手頃な価格で購入可能な点もタイワインならではの魅力です。

そんなタイワインは今、ヨーロッパの旧世界ワインや、ワイン新興国の新世界ワインと並びに、「新緯度帯ワイン(New Latitude Wine)」と呼ばれ、新しいワインの産地として世界中から熱い目線を注がれています。

タイワインの歴史


タイワインの歴史は1960年、食用としてブドウ栽培されたのが始まりです。しかしタイの熱帯気候に加え、ブドウの病気に見舞われることもあり、ブドウ栽培はとても順調とはいえませんでした。

そこでブドウ栽培を高品質なワイン造りにしようと、立ち上がったのがタイの大手ビールメーカー「シンハービール」社です。

1989年、「シンハービール」社はカオヤイ国立自然公園に隣接する山岳地帯にカオヤイワイナリー(現PBバレー・カオヤイ・ワイナリー)を構え、ワイン造りにおける技術向上の研究を重ね、タイにはないブドウ栽培技術を積極的取り入れました。

1998年、タイで初となるワイン「カオヤイ」を登場させると、老若男女問わず、様々な年齢層の方から親しまれるようになったのです。

2003年、世界の首脳会議APECに「PBバレー・カオヤイ・ワイナリー」のワインが提供されると、カオヤイワインは瞬く間にタイを代表するワインへ。

さらにその後の2006年には、「PBバレー・カオヤイ・ワイナリー」が手掛けるワインブランド「Pirom」や「Sawasdee」が世界的なワイン品評会で受賞し、タイワインは世界からも注目を浴びるようになりました。

はじめは少ないタイワインの生産量でしたが、現在は年間1000トン以上のブドウが収穫され、80万本ものワインを生産する規模へと成長したのです。

タイワインの栽培ブドウ品種と味わい


タイでは、黒ブドウと白ブドウの両方が栽培されています。

黒ブドウの主要品種は、タイの固有品種ポックダムと国際品種のシラーズです。白ブドウの主要品種は、タイの固有品種マラガ・ブランとシュナン・ブランが有名です。

品種によって違いはあるものの、どちらも傾向としては、全体的に熟れた果実香と軽快な味わいのワインが多いです。

またスパイスのニュアンスもずば抜けて特徴的で、香辛料をたっぷり使用したエスニック料理と抜群に相性が合います。

タイワインの主な産地


タイは主に4つのワイン産地がありますが、南北に縦長い国の地形によって、土壌やワインの味わいにも異なる特徴をもたらしています。

では、産地ごとにどんな特徴があるのでしょうか。北部からご紹介していきます。

タイ北部

バンコクから800キロ離れたタイの北部では、プールア郡のシャトー・ドゥ・ルーイワイナリーや、ピチット県のシャトー・シャラ・ワン、チエンラーイ県のマエ・チャンワイナリーなど、有名なワイナリーが多数ひしめきあっています。

そして海抜300-600メートル、北緯17-18度のところに約16haの広さでワイン造りが行われています。

地形的にも標高が高いため、ブドウの収穫期の気温は10~25度前後と寒暖差があります。しかし、この寒暖差さによって、この地域では糖分がしっかり蓄積されたブドウが育ちます。

土壌は生産地域ごとに異なりますが、砂利と赤色土や石灰岩が混じっているのが特徴です。主に、人気なシラーズ、テンプラニーニョ、ドルンフェルダー、デュリフが栽培されています。

カオヤイ

カオヤイは、タイで最も人気のあるワイン生産地で、首都バンコクから北東に車で3時間ほど走らせた所にあります。

海抜300~550m、北緯14.3度に位置する高原地帯ということもあり、ブドウの収穫期は平均気温15度前後で、避暑地としても大変人気なエリアです。

およそ97haのブドウ畑とワイナリーを構えるこの地域は、先述したPBバレー・カオヤイ・ワイナリーのほか、グランモンテなど、タイの有名なワイナリーが醸造所を構えています。

カオヤイは高原地帯の赤色土と石灰岩な土壌が特徴で、気候を生かしたシラーや、テンプラニーニ、シュナン・ブラン、コロンバール、カベルネ・ソーヴィニヨンが主に栽培されています。

パタヤ

パタヤはカオヤイを南下した場所にあり、海抜100mの高台に位置しています。海が近くにあり、高級観光リゾート地としても有名なワイン生産地です。

パタヤのブドウ畑を大部分占めているのは、12haほどの広さを持つワイナリー「シルバーレイク・ワインヤード」です。

ブドウ収穫期は平均気温20~24度前後と、カオヤイに比べてやや高めですが、しっかりとした味わいのワインを生みだします。

また海がすぐそばにあるこの地域では、心地よい海風や潮気の影響を受けながら、シラー、シュナン・ブラン、コロンバール、ソーヴィニヨンブラン、メルローなどが栽培されています。

フワヒン(ホアヒン)

海抜150-200mに位置するフワヒンは、首都バンコクから車で3時間移動した南部にあります。かつてタイの王室がこの地に宮殿を建設したこともあり、国民からも非常に人気な保養地です。

フワヒンのブドウ園とワイナリーはタイランド湾に面した海辺のリゾート地の近くにあり、約38haの規模を誇ります。なかでも、東南アジア最大規模とされる「サイアムワイナリー」が手掛けるブランド「モンスーンバレー」が有名です。

この広大な土地フワヒンの土壌はローム質で、ブドウ園は海岸から海風が常に吹き込んできます。そのため、タイの固有ブドウ品種よりも国際品種のブドウが良く育ちます。

主に栽培されるブドウ品種は、コロンバール、ヴィオニエ、シュナン・ブラン、サンジョヴェーゼ、シラーが人気です。

また、フワヒンではワインの海外輸出に力を入れているワイナリーが多いため、海外の方の舌にも合う味わいが特徴です。

おすすめなタイワイン銘柄


タイワインの魅力がわかってきたところで、ちょっと飲んでみようかなと思った方にタイワインのおすすめ銘柄を紹介します。

ピロム・カオヤイリザーブ テンプラニーリョ PIROM

ピロムは、タイを代表する「カオヤイ・ワイナリー」が手掛ける赤ワインで、2006年に世界的なワイン品評会でも受賞されているワインブランドです。

タイ産のテンプラニーリョ種100%で造られており、バランスの取れた酸味と渋みに加え、オリエンタルな果実味が特徴です。

タイワインを迷われたら、カオヤイ・ワイナリーを選べば間違いないです。ハーブやスパイスを利かせた料理と非常に合います。

モンスーンバレー 白ワイン

モンスーンバレーは、東南アジア最大規模を誇る「サイアムワイナリー」が手掛ける白ワインです。タイ国内の高級ホテルでも使用されるなど、国内のみならず、海外でも高い評価を得ています。

マラガブランを主体に、コロンバールとシュナンブランをブレンドして造られています。ハーブや柑橘系の爽やかな香りに、果実の酸味とおだやかな味わいが特徴です。

お手頃な価格は、初心者の方でも気軽に楽しめる一本となっています。野菜やフルーツを使用した前菜、甘酸っぱい料理と非常に相性が良いです。

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SPYは、いまタイの若い方に非常に人気なスパークリングワインです。タイ産のワインをベースに、天然炭酸水をプラスして造られています。

商品ラインナップは、レッド、ホワイト、ブラック、スパイマイタイ、スパイカミカゼ、スパイバタフライキス、ゴールドモスカート、クラシックの全8種類を展開しており、カラーバリエーションごとに異なるフレッシュでフルーティな味わいが特徴です。

また、アルコールも控えめなので、軽く飲みたい時に最適な新感覚ワインとなっています。

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まとめ

今回は、タイワインについて紹介しました。

いつもと違いニュアンスのワインを楽しみたい方はきっと気に入るワインでしょう。

タイのワインってどうなんだろうと思った方は、ぜひタイワインを試して、タイワインのイメージを塗り替えてみませんか?