安いチリワインは美味しいの!?その特徴と歴史を解説

少し前からコンビニでも見かけるようになったチリワインに、皆さんはどの様なイメージをお持ちでしょうか。「安価=美味しくない」と思われている方も中にはいらっしゃるのでは?

ちょっと待ってください!

確かにチリワインは安価ですが、ただ安いのではなくコスパ(コストパフォーマンス)が高い!そして何より美味しいのです!!

というわけで、今回はチリワインの歴史や特徴を解説したのち、おすすめの銘柄も合わせてご紹介します。チリワイン初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

チリワインの特徴


チリはワインの生産量が世界ランキングのTOP10以内にも記されることがあるワイン大国です。チリの気候や土壌がワイン栽培に適しているため、ワインの品質は安定しています。

またチリカベと言われるほどカベルネ・ソーヴィニヨンが有名で、理想的な環境で栽培されたぶどうから造りだされるチリワインは、果実味が濃く飲みやすい味わいが特徴です。

このように高いクオリティを持ちながらも、フランスワインなどに比べ、リーズナブルな価格帯で購入できることから、コストパフォーマンスに優れたワインとして定評があります。

現に1980年代、日本に初登場して以来の輸入量は年々うなぎ上りで、2015年以降ではワイン大国のフランスを抜いて、国内トップの輸入量を独走し続けるほど絶大な人気を博しています。

チリワインのスコパがいい理由


チリワインのコスパがいい理由としては次の3つがあげられます。

  • 日本への輸入時にかかる関税がない。
  • ワイン作りをしている国の中でも人件費が安く生産コストを抑えられる。
  • 日照時間が長く(ぶどうの熟度が上がる)降水量が少ない(品質劣化の心配が少ない)ため、ぶどう早く・安定的に栽培する理想的な環境が揃っている

コスパ最強で美味しいワインと言われる所以はこの3つの理由からきています。なので、安いワイン=低品質なワインという先入観はもうすでに古いのです。

チリワインの歴史


実は、チリワインは400年以上の歴史があります。チリでのワイン作りは、16世紀頃にスペイン人の宣教師によってワイン作りの技術が伝えられたことに始まります。

ワインの生産主要国が多数ある当時のヨーロッパで、ワインは「キリストの血」とされており、ミサの時には欠かせないものだったため、キリスト教会や修道師たちがワインの製造を手掛けていました。

そのキリスト教の宣教師がチリへ初上陸したのは、当時のインカ帝国の皇帝を処刑し、事実上崩壊させたスペイン人が統治し始めると共に、チリへの移住が始まった頃です。

1548年にフランシスコ・デ・カラバンデス司祭によって苗木が持ち込まれ、ぶどうの栽培が始まります。

まだまだ船での輸入に時間も費用もかかる当時では、スペイン本国からワインを取り寄せるよりは、チリでぶどうを栽培してワインを作る方が手っ取り早かったのです。
こうした状況から、チリでのぶどう栽培が始まりワインが作られるようになりました。

チリワインは、フィロキセラがヨーロッパで発生する前にしか苗木はチリに持ち込まれていないため、19世紀にフランスで発生した寄生虫のフィロキセラにも侵されることなく順調に発展し続けました。

ところが、1938年に施行されたアルコール法により、ぶどうの新植が完全に禁止されたり、第二次世界大戦勃発でぶどう栽培やワイン醸造に必要な機械の輸入が禁止されたことでチリワインの生産は完全に停滞してしまったのです。

その後しばらくして、1974年にアルコール法が撤廃されると急速に進化を遂げていきます。

2000年代にはコスパのいいテーブルワインだけでなく国際的なコンクールで高評価を獲得するワインも増え「チリワイン」というひとつのブランドが確立されていくのです。

チリの代表的な品種


チリワインで使われるぶどうの品種は主にフランス系の品種です。ここでは代表的な品種をご紹介します。

カベルネ・ソーヴィニョン

赤ワインに使われる黒ぶどうの中で一番有名な品種で、チリでは「チリカベ」と言われるほど有名な品種です。

ブルーベリーやカシスなどの果実の力強い香りと、渋みのもとである「タンニン」がしっかり感じられるので、赤ワインの定番がお好みの方にはおすすめです。

メルロー

世界中でひろく栽培されているぶどう品種で、ブラックチェリーやプラムなどの果実の香りがします。

カベルネ・ソーヴィニヨンと比べるとタンニンや酸味がおだやかで柔らかい味わいが特長なので、赤ワインが少し苦手な方でも飲みやすい品種です。

カルメネール

フランスのボルドー原産ですが、現在では栽培している地域が限りなく少ないチリの特産品種です。

濃厚なブラックベリーのような香りとコーヒーやチョコレートのような香りに黒胡椒のようなスパイスのニュアンスが感じられます。

口当たりがまろやかなので、赤ワインの渋みが苦手という方には特におすすめできます。

ソーヴィニョン・ブラン

こちらも世界中で広く栽培されているぶどう品種で、チリでは2番目に多く栽培されています。

ハーブや柑橘系のようなフレッシュな香りとキレのあるスッキリとした味わいが特長で、チリのような暖かい産地のソーヴィニヨン・ブランは南国の果実の香りも感じられます。

さっぱりとした味わいを楽しみたい時などにおすすめの品種です。

シャルドネ

とても有名な白ぶどうの品種のシャルドネは栽培する土地によって味わいが大きく変わるという特長があります。

チリのシャルドネは、ほど良い酸味とコクがあり、洋なしや青りんごのようなフルーティーな香りを楽しめます。

どの料理にも合いますが、魚介や鶏肉料理などに特におすすめです。

チリワインの主な産地の特徴


チリワインのぶどうの産地は大きく分けて下記の3つに分かれます。

・北部エリア
・中部エリア
・南部エリア

それぞれの地方からさらに小地区へと枝分かれしていきます。

チリは南北に長いため、同じブドウ品種でも産地ごとに特徴が異なりますので、好みを決める際の選択肢のひとつとして、覚えておいていただくとチリワインの銘柄を選びやすいかもしれません。

北部エリア

まずは、北部エリアから紹介していきます。

エルキ・ヴァレー

エルキ・ヴァレーはチリの最北端に位置する生産地です。ぶどうの蒸留酒「ピスコ」はエルキ・ヴァレーが有名なことで知られています。

年間を通して気温が高く晴れの日が多いこの地方は砂漠に囲まれており、海抜1000m以上の高地でぶどうを栽培していることはとてもめずらしいことです。

作られるぶどうの品種は主に「シラー」「ソーヴィニヨン・ブラン」です。

リマリ・ヴァレー

北部エリアでもっとも発展したワインの生産地であるリマリ・ヴァレーは、昔からぶどう栽培が行われていましたが一時期砂漠化が進んだことにより生産量が減少しました。

それに加えて雨がほとんど降らない地域のため、灌漑(かんがい)を行ってぶどう作りを復活させた経緯があります。

土壌は多くの石灰質から成り立っているので、ワインにもミネラル分が豊富です。この地域では主に「ピノノワール」「シャルドネ」「シラー」が栽培されています。

チョアパ・ヴァレー

チリワインのなかでもチョアパ・ヴァレーはワイン造りの歴史が浅いエリアで、アコンカグアからリマリまで500kmの広大な海岸近くの土地です。

アンデス山脈が太平洋側に突き出しているので、冷たい海風が吹き抜けるため、主に「シャルドネ」や「ソーヴィニヨン・ブラン」が栽培されています。

中部エリア

続いて、中部エリアから3つ紹介します。

マイポ・ヴァレー

チリワインで最初にぶどう作りが始まったこの生産地では、ミネラル分と酸素が豊富な雪解け水を使い灌漑が行われます。

この地域で有名なのは高品質の「カベルネ・ソーヴィニヨン」で、「南米のボルドー」の異名を持ち、風味豊かなワインが特徴です。

マウレ・ヴァレー

チリワイン最大であるこの生産地では、主に「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「カルメネール」「メルロー」を栽培しています。

この地域のカベルネ・ソーヴィニヨンはフルーティで、花やベリー、バニラの香りとしっかりとしたタンニンを感じられるものが多く、酸味と芳醇さのバランスがとれたワインが多いのが特徴です。

ラベル・ヴァレー

中部エリアのなかでも大きなワイン生産地であり、さらに北部のカチャポアル・ヴァレーと南部のコルチャグア・ヴァレーに分けられます。

チリワインの多くがこのラベル・ヴァレーで生産されています。
北部ではアンデス山脈側で作られる「カベルネ・ソーヴィニヨン」「カルメネール」が有名で、南部では近年「ソーヴィニヨン・ブラン」が作られています。

クリコ・ヴァレー

チリの中で「ソーヴィニヨン・ブラン」の栽培面積が一番大きいのが、このクリコ・ヴァレーです。

ほかの生産地より多くの種類のぶどうを栽培しており、コスパにおいても優れているチリワインを多く生産しています。

南部エリア

最後に南部エリアについて紹介します。

イタタ・ヴァレー

産地の名前と同じイタタ川周辺にぶどう畑が広がる地域で、国内消費向けのチリワインを多く生産しています。

チリに一番はじめに持ち込まれたぶどう品種「パイス種」の栽培のほか、近年ではヨーロッパ品種のぶどう栽培も増えています。

ビオ・ビオ・ヴァレー

チリの中でも最南端に位置するビオ・ビオ・ヴァレーはほかの地域と比べて灌漑を必要としない土地で、フランスのボルドー(メドック地方)とにた気候条件です。

ここでは「シャルドネ」「リースリング」「ピノ・ノワール」が生産され、土壌に含まれる赤粘土土壌が特に白ぶどうに良い影響を与えています。

チリワインのおすすめ銘柄


最後に、手頃な価格の美味しいチリワインをご紹介します。
お気に入りを選ぶ時の参考にしてみてください。

バルディビエソ ブリュット ビーニャ バルディビエソ NV

セントラル・ヴァレー地方で造られる、シャルドネとピノ・ノワールを使用した辛口スパークリングワインです。さわやかな柑橘系の香りと青リンゴや白い花のニュアンスが感じられ、キリッとした酸味のある味わいが特徴のこのワインは、あまりクセがなくどんな料理にも合わせやすいタイプです。

たいていのビールに合う料理とは相性がよく、唐揚げなどの料理とピッタリなワインとなっています。

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サンタ・リタ120(シェント・ベインテ)シャルドネ

チリ最大規模ワイナリーサンタ・リタが手掛ける辛口の白ワインです。シャルドネを使用しており、青リンゴやトロピカルフルーツのようなフルーティーな香りがし、さっぱりとした果実味でスッキリとした後味に仕上げられています。

魚介料理との相性がバツグンなのは無論のこと、味が濃い目のパスタやチーズフォンデュなどともよく合います。食前酒としてもおすすめできます。

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ボルカネス テクトニア ソーヴィニヨンブラン

ブリュッセルでの国際コンクールで金賞を受賞したこともある辛口な白ワインです。メロンやパイナップルのようなフルーティーな甘い香りがあり、味わいは草原やハーブのようなニュアンスに、グループフルーツやライムのようなキリッとした酸味のある味わいが特徴です。

飲み口がとても軽やかなので幅広い料理に合わせられ、軽いおつまみとワインだけでも十分に楽しめます。

コンチャ イ トロ カッシェロ デル ディアブロ カベルネ・ソーヴィニヨン

あまりの美味しさにワインを盗み飲みする者が絶えないため、「悪魔が棲む蔵」という噂を流し、ワインを守った伝説を持つ「コンチャ・イ・トロ」社が手掛ける赤ワインです。

カベルネ・ソーヴィニヨンを使用し、カシスのような赤い果実とバニラを感じさせる香りがし、ふくよかでエレガントな味わいは余韻が長く続くフルボディな味わいが特徴です。

牛の赤身肉やチーズとの相性がとてもいいですし、ケーキやフルーツなどの甘いものともよく合います。

ロス ヴァスコス カルメネール グランド レゼルブ

1988年にボルドーの名門シャトー「ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト」が経営権を取得し、チリ最高峰の品質を目指しているワイナリーが手掛ける赤ワインです。

カルメネールというぶどう品種を使い、約3年の歳月を費やし造り上げたこのキュヴェワインは薔薇やブルーベリーのような華やかな香りに、スパイスやハーブのニュアンスが特徴。

奥ゆかしい渋みもありながら、充実感のある果実味で豊かな味わいと長く続く余韻は特に肉料理によく合います。

まとめ

今回は、チリワインについて紹介しました。チリワインのコスパがいい理由が分かると、より安心してチリワインをお楽しみいただけると思います。

よく見かけるチリワインを、身近なものと感じていただけると幸いです。お気に入りの1本を見つけて、ぜひチリワインをお楽しみください。